ピザが食べたい

 GWですね。

 お休みの方、有意義にお過ごしですか。

 仕事の方、お疲れ様です。私も仕事です。

 日記を書こうとして、スマホ握りしめたまま寝てました。以下、残業帰りに書いた日記です。


***


 ところで、たまにないだろうか。

 無性にピザを食べたくなる時が。


 それは別に理由などなく、気分の良い悪いに関係なく突然やってくるのだ。ピザが食べたい。

 退勤前にそうなっていれば、帰り際に買って帰ることもできたのだが、もうほぼ家の前に着いた頃に突然思ったのだ。手ぶらで帰宅してしまった。ピザが食べたい。

 何のピザが良いかと言われると特に指定はなく、ピザの体裁が整っていれば何でもよかった。生地の上に味がついた何かがあって、その上に焼き溶けたチーズがあればよかった。できれば安いとうれしい。

 某イタリアンなファミレスのバッファローモッツァレラチーズのピザが脳裏に浮かんだ。そうそう、そういうのが食べたいんだよ。いいな、店に行く手もあったか。

 しかしその考えはすぐに却下された。既に帰宅してしまっているので、再び外に行くのが面倒臭いと思ったのだ。外出用仕事モードは、帰宅した瞬間に本日分の利用を終了している。本日はもう家から出たくない。

 だったらピザを配達してもらったらいいのではないかと思って、勇んでスマホから適当なピザ屋のサイトにアクセスし注文をしかけて──これもやめた。

 手軽なのだが、夜なのが私の手を止めた。玄関ドアを開けて受け取るのがもう面倒だった。置き配もあるが、その時はその存在を失念していた。なにより、ピザが食べたいと言いながら、今から高カロリーな食べ物を食べることに今頃ビビってしまったのだった。菓子は食べるのにである。


 しかし、ここまでくると最早他の料理を作る気にもなれなかった。ピザが食べたかった。

 もういいか、頼んでも。私は再び適当なピザ屋のサイトにアクセスした。

 が、ただピザを選び少し情報を入れるだけなのにもかかわらず、食べたいはずのピザを選ぶ動作が面倒臭くなって、私はブラウザを閉じた。

 いやでもやっぱり今食べて明日の仕事も頑張ろう──三度スマホでピザ屋のサイトを開き、明日も仕事だしな…やっぱやめとくか…と諦めてしまうのだった。

 スマホの画面をスリープにしてローテーブルに投げ出す。既に帰宅から30分以上経過していた。完全に時間の無駄である。

 もう全てが面倒になりソファに横になった。


 ピザが食べたい人生だったな。


 いっそ、何も食べずに今日は就寝するか…。


 ……。


 …………。


 その30分後、オートミールを生地にしたピザのレシピをネットで見つけた。オートミールを練ってピザ生地にしてフライパンに敷き、ピザソースを塗りたくり、ツナ缶と冷凍ほうれん草を広げ、溶けるチーズをぶちまけて7半待った。美味しかった。



(スタバのコーヒーを啜りながら)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る