学校のマドンナさん

さて、授業終わったし帰るか。


「拓人〜一緒に帰ろ?」


「そうだな、帰るか」


彼女(仮)の優雨から帰りのお誘いを受けた、久しぶりにコイツと帰る気がするがそんなことは今どうでもいい。俺は教科書が一冊二冊位入ってる鞄を背負った。


・・・・


「なあ」


「ん?何?」


「近くない?」


そう近いのだ。俺の方に体を寄せてきて更には胸部も腕に当たっているが昔からの幼馴染に俺は興奮はしないのだ・・・ホントだぞ?俺は誰に言い訳をしているのやら。でもこんなに近いとちょっと緊張する、優雨との距離が小さな虫ですらその隙間を通れないくらいに無である。


「流石にそこまでしなくてもいいんじゃないか?」


「拓人はこうするのは嫌なの?」


「そうじゃないが・・・」


「じゃあいいよね!」


フフンと機嫌が良さそうな様子の優雨さん。さて俺は持ちこたえられるだろうか?


ーーーーー


腕を組んで歩いていると学校のマドンナさん―――空さんに会った。


「よう、空さん。一人か?」


「はい、拓人さ、ん?」


「どうしたんだ?」


「その人は?なんで拓人くんにくっついているんですか・・・?」


おっと、優雨の存在をすっかり忘れていつもの感じで話に行ってしまった。まあいっか、それより優雨を空さんに紹介するか。


「この俺の腕につかまっているコアラみたいなのは優雨だ、一応俺の彼女だ」


「がるるるる!!!」


「ど、どうも・・・」


なぜか優雨は空さんに威嚇しているようだ。空さんはちょっとだけそんなことしている優雨を引いているように見えた。試しに優雨をなだめるように撫でてみると犬のように甘え始める。あれ?今日までコイツってこんなキャラだったけ?


「か、彼女ですか・・・」


「うんさっき付き合い始めたんだがなんか豹変したみたいで」


「は、はあ・・・そ、それはたいへんですね・・・」


時折優雨の方を見ながら困った顔をする空さん、そんな顔も流石はマドンナだな。

そろそろ腕がしびれてきたが優雨は離す様子がまったくないむしろずっとくっついてきそうなくらいだ。


「なあ優雨。そろそろ離れてほしいんだがちょっと腕がしびれた、あと単純に暑い」


「やだ!」


即答されてしまった。はぁ・・・どうしようか。


「・・・!」


「・・・!?急にどうしたの!?空さん!?」


「優雨さんばっかりずるいです・・・」


「え?」


そのあと俺は腕が美少女たちの止まり木となってしまった。うれしいやらうでがしびれたり暑かったりで苦しいやらで大変でした。周りの人からの視線がものすごく痛かったがそれは俺の鋼の意思(笑)でこらえた。


「空さんもここらへんに家があるのか?」


「いえ?違いますけど」


「なんでこっちまで来たんだ?」


この人一体なんでこっちまで来たんだろうか?


「・・・こ、こっちからのほうが近いんで・・・」


「空さんは電車で登校してるじゃん」


「・・・」


そう優雨に指摘されて顔を赤くする空さん。すると空さんは俺の腕を離して走っていってしまった。


「行っちゃったね」


「そうだな、そろそろ着くから離してくれ」


「このままがいいの」


そう上目遣いで言われたが俺は負けん!


「わかったよ・・・」


「わーい!」


結局俺は負けました。即落ち2コマですねはい。


「入って入って〜」


「お邪魔します」


負けた後は優雨の家に少しだけお邪魔させてもらった。久しぶりに彼女の部屋に入ったが昔と全く変わってなく少し安心してる俺がいた。


今日は少し遅くなりそうだから母さんにメールしておこう


『今日帰るの遅くなるからよろしく』


これでよし。


あ と が き


作者です。最近色々と忙しくてちょっと遅れるかもしれません。申し訳ないです。


作者

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