37.ヲ髷/ソラヤナホ

作品名:ヲ髷

作者名:ソラヤナホ

性癖:奇談

性癖:毒

作品URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330657492748009


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 ソラヤナホさんはご新規の方ですね。ご参加ありがとうございます。


 こちらの作品は性癖紹介に『奇談』と書いてある通り、かなり珍しく不思議な話となっています。

 主人公の奥さんが髪結との事なので時代的には江戸時代辺りなんでしょうが、最後は主人公が大陸間弾道誘導弾になります。何を言っているのか分からないと思いますが、タイトルでもある「ヲ髷」というのが大陸間弾道誘導弾の名前で、主人公は髪結の奥さんの影響か大陸間弾道誘導弾ヲ髷一号となります。『奇談』ならばこういう事もあるのでしょう。

 そもそも性癖というのが他者に理解してもらいにくい物なんですが、提示する性癖が『奇談』という事でより一層理解が難しい話になっている様に感じます。しかし、理解が難しい話という事はそれこそが『奇談』の性癖に触れているという事に繋がるので、なるほどこれは性癖小説として正しい姿なのだと逆に納得してしまいました。性癖小説って中々奥が深いですね。

 内容は突拍子もなく理解しにくい物に思えるのですが、文章のテンポとリズムが良く、歌舞伎や能の様な独特の言い回しのお陰で読む事はすんなりと出来ます。最後の背中の毛が髷になる部分なんかは意味が分かりませんが、文章の勢いで「そういう事か」と納得をさせてくれてますね。恐らくこれがソラヤナホさんの作風であり、性癖を伝える為に身に付けた技術なのでしょう。今のところの声に出して読んでみたい性癖小説第一位ですね。


 だた、『奇談』という性癖についてはよく伝わって来たのですが、もう一つの『毒』については分かりにくく感じました。

 主人公がヒモとして生活出来てしまう女房の『毒』の事なのか、大陸間弾道誘導弾になってしまう事が『毒』なのか、それともこの『奇談』を読んでしまう事が『毒』なのか。

 性癖小説選手権では性癖がいかに良く読者に伝わったかが評価対象であるので、『奇談』の性癖小説としてはとても良かったのですが、『毒』の性癖小説としては力が弱かったと思います。次回があればその点を強化していただくと、より一層すばらしい性癖小説が書けるのではないでしょうか。


 今作の独特の世界観とテンポの良い文章から、ソラヤナホさんの作品からしか感じ取れない特別な読後感を覚えました。

 今後も是非ともその特別な読後感を持つ性癖小説を書いて頂けたらなと思います。ご参加ありがとうございました。

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