あきらめないことに意味があるよね

 まずはナイフを落とさないとだよな...

 ナイフは持ってるだけでリーチを確保してくる。

 だから1発目でナイフを落とさせる!

 幸いにもオッサンはこっちに気付いてない。


「オラァ!」

「なっ!?」


 うまくナイフを蹴り飛ばすことに成功した。

 あとは別の武器があるかだよな...


「こんのクソ野郎がぁぁ!」

「ウッソだろ!」


(パァン!!!)


 オッサンはおもむろに銃を構えて撃ってきた...


「どこで手に入れたんだぁそんなもん!?」

「俺は彩葉ちゃんと一緒に死ぬんだ!!!」


 こいつっ!

 銃を持って暴れられると周りまで負傷する可能性がある!


(パァン!!!)


「イッタッ!」


 左腕に撃たれた!

 弾は残っていない...


「へっへっへ!俺の邪魔をするからそんな事になっちまうんだ!」

「すいませんっ...私を犠牲にしてください!」

「馬鹿が!だれが犠牲を作るつもりで助けに入る!」

「えっ?」


 俺はあきらめるつもりなんて最初っからねぇんだよ!

 失敗するって思って助けるやつがどこにいる!


「君っ!動けるか?」

「動けますけど...私を犠牲にしたらみんなが助かるんですよ!?」

「それ以上自分を犠牲にするとかいうな!...校内に入れ、それまでは俺が時間を稼ぐ!」

「でもそんな傷じゃまともに動けないんじゃ!」


 確かに痛いし、出血もしてるが...


「大丈夫!左腕だけだ!」


 心配をかけさせたくないし、安心させるためにも自分を強く見せる!

 ほんとは全然大丈夫じゃないんだけど...


「俺の彩葉ちゃんに近づくなぁ!」

「ほいっと!もう喰らわねぇぞ!」


 俺は銃弾を躱す。

 同時に挑発的な口調に変える。


「お前一体何者なんだ!」

「普通の高校生だよっと!」


 そういい距離を詰める。

 接近戦まで持ち込めば!


「普通の高校生が銃弾を避けれる訳ねぇだろ!」

「お前の狙いが悪いんだ!そんな弾道を外してる打ち方なんてな!」


 出血しすぎてる...

 視界がぼやけてきた...

 だから!チャンスはあと一回。

 あの子も校内に逃げれたみたいだ...


「後は、おまえを倒すだけだ!」

「こっちには銃があるんだぞ!勝てると思うな!」

「卑怯だな銃を使うのは...」

「卑怯とか関係ないんだよ!目的さえ達成できればね!」

「あぁ!そうだな!」

「ぐはっ!このぉぉぉーー!!!」


 腹に一発食らわせてひるませる!

 そこに頭のほうに叩き込む!

 オッサンは耐えて、銃を構えようとしたが...

 俺の次の一発を入れるほうが早く、頭に一発入れることに成功した...


「ぶっ飛びやがれ!」

「お前のせいでぇぇ!」


 そして決着がついた...


「はぁ...はぁ...はぁ...終わったか...」

「おぉぉぉぉ!!!!!」


 さっきまで逃げていた人たちが返ってきた。


「てめぇらなんもしてねぇだろ!」


 そう叫びたいが声が出ない...

 やばい明かに人間の出していい血液の量じゃない...


「...いてぇなぁ撃たれるって」

「大丈夫ですか!?」


 そういって終わったことを知り戻ってきた一ノ瀬彩葉が話しかけてきた。


「大丈夫に見える?」

「もうすぐで救急車が来るからすこしだけ待っててください...」

「君はどうだい?...怪我はないかい?」

「大丈夫です...こんな時でもほかの人のことを心配するんですね...」

「それは違う...単純にあんなのに襲われて精神的に問題があったりすることがあるかもしれないから...」

「そうやってごまかして、照れ隠しですか?」

「違っ!」

「私は大丈夫です、もう大丈夫ですから安心して自分のことを心配してください!」

「ん...」


 そんな小さく、優しい声を聴き意識が遠のいていく...


「おやすみなさい」


 最後に少しだけそんな言葉が聞こえた。

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