やり場のない怒り。

静かに進んでいく物語の中で、主人公の怒りや悲しみがじわじわと溢れてきます。
確かに感じていたはずの温もりや優しさは、どこから本物でどこまでが偽物だったのだろう。
そもそも、全てが偽物だったのだろうか。
言い訳も謝罪もない、本当にズルい女。偽物と知りながらも黙って役目を果たしてきたヤドリギに、いつか本物の愛情を――。そう願わずにはいられない物語でした。