クラスで異世界転移したら俺だけ無属性だった

ありきたりな男子高校生

第1話 溢れ出る光

剣と魔法のある異世界ってどう思う?

僕にとっては憧れではあるが長い間居たいとは思えない。その程度の認識だ。なぜ僕がいきなり異世界のことについて聞いたのかって?それは僕たち1-B組がいきなり異世界に召喚されたからだった。






僕、名田秀真がこの高校に入学してから2ヶ月が経ったある日。いつもの朝だった。

僕はいつも通り遅刻ギリギリで教室に入って席に着く。ギリギリだったのでクラスメート全員が教室にいて先生も朝のSHLの準備をしている。少し先生に睨まれた。


「おはよう」「おう。秀真、おはよう」


今、挨拶をしたのは入学してから席が隣という理由で仲良くなった青井冰馬だ。人としては僕の陽キャ版という感じだ。人付き合いが良く、交友関係は僕の倍ぐらいあるだろう。


「秀真、昨日のあの番組見たか?」

「いや、昨日は忙しくて見れなかったんだよなぁ」

「うわ、お前もったいねー。昨日のやつは神回と言っても過言じゃないほど面白かったんだぞ」

「えー、本当に?」


冰馬と駄弁っていると、そこに割り込む声が一つ。


「秀真さん、明日の図書委員の集まりについての話があるんだけど」


そう言って話しかけてきたのは入学してから知り合い、立候補者がいなかった図書委員にあまり物として一緒に選ばれた倉谷橙華だ。

 なぜか僕にだけ物言いがきつくて少し近寄りがたい。


「あれ?集まりって明日だったっけ?」

「そうよ。それで話したいのはこのクラスの本の貸し出し冊数の推移についてなんだけど…」


その瞬間、教室の床に幾何学模様が浮かび上がった。


「なんだこれ」


教室の誰がそう呟いたその時

ガタッ ガタガタ ガタッ

教室全体が揺れ始め、床の幾何学模様から光が溢れ始めた。

「なっなんだよこれ」「きゃっ、眩しい」

「なんかのドッキリか?」「まさか、異世界召喚っ?」

「みんな、落ち着くんだ」

先生の落ち着くようにという声が聞こえるが教室内は阿鼻叫喚の嵐で指示が通らない。

「おい秀真、これやばくないか」

「うんやばいかも。倉谷さんつかまってて」

「わ、わかったわ」

倉谷さんがつかまった瞬間、模様から溢れ出す光がより一層強くなり、少しの浮遊感があったあと、僕たち1-B組は石畳みの広場のようなところに投げ出された。僕たちの周りを囲むように中世のヨーロッパの甲冑を着た人たちが立っている。その中から豪華なドレスを着た女性が歩み出てきて呆然としている僕たちにこう言った。




「 皆様ようこそおいでくださいました。どうかこの国を守っていただけないでしょうか」

「「「え?」」」

数人の呆けるような声が響いた。



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登場人物

名田 秀真 (男)(無属性)

本作の主人公。陽キャとの絡みもあるが、基本的には自分の席で本を読んでいるような性格。鈍感な所がある。八方美人。


青井 冰馬 (男)(氷属性)

秀真の友人。陽キャで友人が多いが、クラスの中心になるような奴ではない。


倉谷 橙華 (女)(炎属性)

秀真と同じ委員会になった女子。ととても真面目。なぜか秀真にだけ口調がキツくなる。

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