第41話 宝箱の中身はなんだろな?

慎重に宝箱に近付く。 そしてとりあえず宝箱の周りを1周し罠が無いかを確認する。


……よし。怪しい所は無さそうだな。 近付いても大丈夫だろう。


俺は宝箱に近付いて、ポケットから藍音が作ってくれた鑑定アイテムのサングラスを装着した。


すると、サングラスを通して見える場所に


【石礫 レベル1】


と表示されていた。


……成る程な。こんな風に罠の種類が表示されるんだ。 便利だなこのサングラス。流石藍音だ。IQ200は伊達じゃない。


俺はサングラスを外して罠の解除に取り掛かった。


そういえば今俺がしている腕時計が罠の解除機能付きのアイテムだったな。 どうやって使うんだろ?


とりあえず俺は腕時計を宝箱に近付けてみた。


すると腕時計が淡い光を放ち出し、腕時計から細いワイヤーが自動的に伸びて宝箱の鍵穴に入っていった。


そしてワイヤーが勝手に動きだし " カチャカチャ " と音を立てて罠を解除し始めた。


その光景をポカーンと口を開けたまま見ている俺の後から藍音が


「そう言えば説明してなかったね。この腕時計はサングラスと連動していて、サングラスで鑑定した罠に対応したワイヤーが伸びて罠を解除する仕組みになっているんだよ。 ちなみにサングラスも腕時計も翔真の魔力で動いているんだよ。 ねっ便利でしょ?」


と説明してくれた。 電池とかじゃ無くて俺の魔力が原動力かよ。


暫くして " カチッ " と音がした。


「どうやら罠は解除されたようね。ついでに鍵も開いたみたい。 翔真、早速宝箱を開けようよ♪ 中身はなんだろうな? スッゴく楽しみ♪」



" 凄い便利アイテムじゃないか! 俺も欲しい! "


" 藍音ちゃん! 俺にも作って! "


" 金は幾らでも出す! "



「嫌。私は翔真にしか作らないと決めてるの。幾らお金を積まれても無理。」



" …………そうですか。すみませんでした。 "



藍音の言葉にリスナーさん達が黙ってしまった。


……完全塩対応だな相変わらず……。


「さぁ翔真、早く早く♪」


俺は藍音に促されるまま宝箱に手を掛けて、宝箱の蓋を開けた。


宝箱の中にはポーションと巾着袋(中)が入っていた。


基本的に宝箱の中身はギルドで鑑定して貰うか、アイテム鑑定のスキルを使用してどんなアイテムかを知る必要がある。……ってギルドのマニュアルに書いてあった。 だって、鑑定せずに装備して呪われたら元もこもない。


「多分ポーションは体力回復のポーションか魔力回復のポーションだな。木製の宝箱に入っている位だから、貴重なポーションじゃ無いだろう。 で、この巾着袋は……なんだろうな? 中に何が入っているんだろう? 気になるな。呪われて無かったら良いんだけど……」


俺が巾着袋を持ってくるくる回しながら眺めていると


「とりあえず後でギルドで鑑定して貰おうよ。もしかしたら良い物が入っているかも知れないからね♪」


と藍音が笑顔でそう言ってきた。


「そうだな。スキルを持ってない奴が眺めても分かんないもんな。後でギルドに鑑定して貰うとするか」


「そうと決まったら次はオーク討伐に行こう! そしてギルドに戻ろうね」


俺達はポーションと巾着袋をリュックサックに入れて、地下3階に向かって歩きだした。


地下3階に着いて直ぐに俺達の前にはオークの群れがいた。


何やらオーク達は食事中らしい。何を食べているのかは想像したくない。 想像したら吐きそうだ。


「……此処は某に任せて欲しいで御座る」


幸村が俺達の前に出て鉄の槍を構えてそう言った。 幸村はオーク達に袋叩きに合ってたなそういえば。


「幸村……大丈夫か?」


「無論!!」


「それじゃ幸村、お前に任せる」


「忝ないで御座る! それではいざ参る!」


幸村は食事中のオーク達に突っ込んでいき


「……秘技、五月雨突き」


幸村は鉄の槍から放たれる数百の鋭い突きをオーク達に喰らわせる。 オーク達は幸村の突きを喰らい、全員穴だらけになって絶命した。


「凄いじゃないか幸村!」


「それほどでも無いで御座るよ//////」




" 照れてる幸村君可愛ゆ♥️ "


" すげえ槍技だ! "


" 五月雨突き!! 格好いい! "



幸村の槍技を見てリスナーさん達も盛り上がっているみたいだ。


オーク達から討伐証明になる鼻を採取し、俺達は地上に戻った。 そして今日の配信を終了する。


ギルドに着いた俺達はカウンターに居る受付嬢さんにクエスト達成の報告をする。


本日のクエスト達成報酬 8000円也。


報酬を貰った後に


「宝箱からアイテムを見つけたので鑑定お願いします」


とポーションと巾着袋を受付嬢さんに渡した。


「承りました。少々お待ち下さいませ」


受付嬢さんはアイテム鑑定をしてくれた。 やっぱりポーションは体力回復ポーションだった。 しかし、受付嬢さんが俺に巾着袋を渡してくれる時、顔を真っ赤にしていた。何故だろう?


「こ、この巾着袋の中身は、じ、女性用のい、衣類でした////// 貴方には必要ありませんので御了承下さい//////」


「はぁ。分かりました。ありがとうございます」


俺には必要が無いのか。じゃあ藍音にあげよう。  


「藍音」


「何、翔真?」


「これあげるよ。使ってくれたら嬉しい」


俺は藍音に巾着袋をあげた。


「翔真からのプレゼントだぁ♥️ あの巾着袋だね? 中身はなっにかな~♪」


藍音が巾着袋を開けて中身を確認する。すると藍音の顔が瞬時に真っ赤になる。


「し、翔真!? 私にこれを着用しろと!? へ、へぇ……翔真ってこんなのがす、好きなんだぁ////// こ、今度着用するからね//////」


? 何を真っ赤な顔をして言っているんだろうか? 女性用の衣類だろ? そんなに恥ずかしがらなくても良くないか?


藍音のそんな反応を見て俺の頭の中は ?マーク で一杯になっていた。






ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m


面白いと思われたら★評価 🖤 コメント レビュー等を頂けたら今後の励みになります。


今後とも拙作を宜しくお願い致しますm(__)m






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る