第5話 時は金なり⑤

絶望は確かにあった


しかし俺には化け物を倒すことのできる武器がある


これのおかげで平静も保てていた


しかしこの力は一度しか使えない


故に俺は使う瞬間をミスれば間違いなく死ぬ


でも”これが”いい


多分ずっと求めていたんだと思う


こういう命のやり取りや極限の瞬間


これこそ生物としての本懐ではないだろうか


そう思ったとき目の前の生物にも雄雌の違いがしっかりとあるのがわかった


「若く美しい女以外すべて始末する」


頭に思いついたその考えは勝った後の話だった


でも俺は負ける気はしなかった






それは現実となり


「ぐっ.......」「あがっ........」「ヴぉエ!!!!」


一面にわたる炎と焼け焦げた村


耳付きたちは男のほとんどを始末した


まだ息をしているのはいるがそのうち死ぬだろう


いやぁ美人な種類の奴らを残せてよかった


こいつらを使って稼ぎたいが金という概念はあるのだろうか?


俺を恐れたのか逃げようとせず生き残った奴らは全員で固まっておびえている


20数名くらいだろうか彼女らに一つだけ聞いた


「今死ぬか、俺に従うかどっちがいい?従うなら俺の元まで寄ってこい」


そういうと全員がすぐに寄ってきた


一番先頭にいたのはさっき俺に謎の穀物を食わせた女だった


従っている素振りをするが内心には反抗心があるだろう


俺はそいつの目に右手の人差し指を向けそいつの片目を焼き払った


「ぎゃあああああああああああああああああああああああ」


それを見て後ろの耳付きたちが青ざめる


自分でもひどいことをしていると思ったが俺を騙したんだ


このくらいは安いものだろう


命を奪わなかっただけ俺に感謝してほしい


寛容な俺に


「えーわかったと思うが。俺に逆らうなら全員こうなるし従ってね?」


ブンブンと全員が頭を上下に振る


これが俺の異世界に来て最初にできた大切な従業員だ


ヨロシクねみんな






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