二十二年 一月   「アルベロベッロの種物屋」

 アルベロベッロってどこ!

 今回のシリーズで一番ふざけていると思ったのは、この回でした。なんで海外!

 夏井先生のお人なりが垣間見えた気がしました。おそらくは弟子未満の追っかけをアルベロベッロの千尋の谷に突き落とし、ついて来られるものだけついて来いというお試し回なんですね。わかります! わたしは今、先生とスタッフに試されているのですね。よかろう。どこまでもついて行ってやる。わたしの二つ目のスイッチが入りました。


 それでね。アルベルベッロというのは、イタリア共和国の農村で世界遺産。 「トゥルッリ」と呼ばれる白壁に円錐形の石積み屋根を載せたこの家屋は、16世紀から17世紀にかけて開拓のために集められた農民によって造られたものです。ありがとう、ウィキペディア。それと「ローマの休日」を撮影した街だそうです。

 「種物屋」はこれがさり気なく春の季語でして、穀類、野菜、草花などの種を扱う店のことです。


   残照の街は朱鷺色春夕焼け☆並選


 アルベロベッロは、どの家も白壁で青い海とのコントラストが美しいです。日暮れともなれば白壁の家並みは朱鷺色に染まって(薔薇色に染まるのは、ありきたりで工夫がないので、朱鷺色にしてみました)美しい春の夕焼けであることよ。と詠みましたら、すべてがだったせいか並選でした。

  


   パラソルのそぞろ歩きや青岬☆並選


 歳時記をめくっていたら「青岬あおみさき」という季語を見つけました。夏の季語の「夏の海」の傍題です。いいや、もう春でも夏でも。若葉の薫る岬の先端まで、モネの絵の愛らしい御婦人のように日焼け防止用のパラソルをさして、のんびり歩いて行ってみましょう。という俳句を作りました。

 そしたらパラソルが季語だったー! 季語が多すぎるんですけど。俳句こしらえてると必ず季重なりになるのは何故? もう誰かの仕組んだ罠としか思えない。てなわけで並選でした。


 

   鳩集うポポロ広場の清水かな ☆☆人


 季語は清水(夏)です。アルベロベッロにはあちこちに広場があって、そのひとつのポポロ広場(ポポロクロイスはここが元ネタでしょうか?)には清水の湧く水飲み場があるそうです。人が近づくと一斉に鳩が、真っ白い鳩の群れが舞い上がる光景を想像しました。人でした。

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