青年物語

orphen001

第1話 序章

(お母さん、、、お母さん、、起きて、、お母さん、、)


(太郎、お前の手には、人を幸せにする力があるんだよ.

それを活かしなさい、、太郎ありがとうね)


(お母さん、、お母さん、、、)



太郎は、目を覚ました。泣いていた、、、夢をみていた。



20年前、帰省中の高速道路で、トラックの居眠り運転による衝突事故によって太郎の父と母は、この世を去った。

太郎は、母に包みこまれるように、抱かれていて、奇跡的に助かった。

両親を亡くした太郎は、田舎の祖父と祖母に育てられた。

その後、田舎の小学校、中学校、高等学校を卒業し、地元の工場に就職。

平凡な人生を、歩んでいた。


雅三(祖父)「太郎、お前も、もう28だろ、そろそろ結婚しねーと、誰かいるのかえ?」


太郎「いやだな~、じいちゃん、誰もいねーよ。ずっと、じいちゃん達と暮らすんだよ」


雅三「じいちゃん達は、先に死んじまうんだ。お前が、一人になっちまうかと思うと心配でしょうがね~」


アキ子(祖母)「太郎は、優しい子だから、大丈夫だよ。じいちゃん」


アキ子が言うように、太郎は、本当に優しい子だった。そして、28年間、女性とまともに話すことすら出来ない奥手な青年であった。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る