第10話 ダークエルフにもらった剣!

「・・・・・じゃあ、次は俺が魔物を倒してそのドロップアイテムってやつを狙ってみようかな?」 


 俺がそうつい口走ってしまった後に俺たちの前に現れた魔物の頭の上には紫色の『D』という文字が浮かんでいた。


 つまりあの食人植物より数倍強いわけだ。


 それはちょっと不安になったのだが、ああ言ってしまったのだからもう跡には引けなかった。


「じゃあ、俺がこれは一人でやっつけてみるから!」


 ほんの少しだけ、アリシア・バーセムが手を貸してくれることを期待していたのだが、彼女はこう言って俺を送り出したのだった。


「ケンゾー、レアドロップを期待してるぞ!」


 レアドロップ? 


 貴重なアイテムってことか?


 まったくこっちの気も知らないで!


 俺はそんなことを思いながら、その『D』の紫の文字が頭に浮かんだ魔物の方へゆっくりと近づいていった。


 その魔物は蜘蛛の化け物のようなやつだった。


 だが、その顔は牛のようで、もしかしたら食っても旨いかもとか俺はアリシアに影響されてそんなことを考えたりしていた。


 ダークエルフからもらった剣が光を放ち始めたのはそんな時だった。


 それは剣を握っている俺が眩しくて目を瞑りたくなるほどの眩しい光だった。


 その光の中で剣がなんと驚くことに


『あなた様が新しいわたくしのご主人様でございますか? ご挨拶が遅れて申し訳ありません! ついうとうとと眠ってしまっていました。ぶたないでください! ・・・・・・嘘です! ぶってください! ご主人様! 思いっきりぶってわたくしめに新しいご主人様のお力を味わわせてくださいませ! さあ、思いっきり! 気持ちいいのをくださいませ! お怪我のないようの部分を思いっきり! さあ、早く!』


 聞いてないなあ、こういうの!


 あのダークエルフさん我が一族に伝わる貴重な剣みたいなこと言ってたけど、もしかして厄介払いしたかっただけなんじゃないのか?

 


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