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  • クライムフィルムへの応援コメント

    初めまして。
    この度は『あなたの作品を勝手に分析します』企画にご参加いただき、ありがとうございました。主催者の島流しにされた男爵イモです。

    さて本作は短編でしたが、そこまで内容を端折らずに綺麗にまとまっていた印象です。題材もシンプルだったので、その分物語に感情移入しやすい構成だったのではないでしょうか。キーアイテムの一つとなるカメラへの造詣も深く、ファインダー越しに見える風景を異世界とたとえたのは個性的で素敵だと思いました。そんなある種の脚色された世界に少年が佇んでいたことが、この凄惨な出来事を主人公の脳裏に焼き付ける結果につながったのではと考察することもできました。

    続いて気になった点ですが、これは主人公の心理でしょうか。
    カメラのせいで少年を助けられなかった、カメラが悪かった。そういったことが度々描写されており、タイトルの伏線回収にもなっていたかと思います。ですが、これを自責の念と結びつけるのはやや難しいと考えられます。内容を鑑みるに少年の自殺が主人公の自死へとつながるわけですが、それはつまり自分の内側に非があったと思い込んでいるわけです。

    サバイバーズ・ギルトのような心理なのかもしれませんが、もう一押しほしいかなと。一例を挙げるなら、「カメラが悪かったのではなく、少年をカメラに捉えた自分が悪かった」という主人公の独白を最後に設けるなどはいかがでしょうか。オーバードーズによる錯乱という締め方もいいですが、どこまでも過去に囚われ続けているという描写で締めても面白いのではと思いました。あくまで一例ですので、参考程度に留めていただければ幸いです。

    それでは、以上になります。
    作者様の創作活動の一助となれば幸いです。