ブッコロー殺鳥事件 〜デックローしか知らない世界〜

U.N Owen

第1話 〜デックローしか知らない世界〜

R.B ブッコロー。彼は有隣堂のチャンネルでミミズクMCとして長らく務めていた。しかしやっとチャンネルが伸びてきて、世間の注目を浴び始めた頃、あの事件が起きた。

四月一日、ブッコローは早朝からチャンネルチームと配信の準備を始めていた。スタッフにはもうブッコローの収録ではベテランとなっていた渡辺さん、小林さん、そして高橋さんがブッコローの手助けをしていた。その他にはこの収録で登場してもらう予定の岡﨑弘子さんと又吉直樹が一時間ほど後に到着した。


「失礼しまーす。」


岡崎さん(通称ザキ)の声が聞こえる頃には収録の準備は万端だった。


カチャリ


いつものBGMが流れ、ブッコローの声が響き渡る。


「今日は〇〇〇〇の世界!!」


そこまではいつも通りだった。そこまでは。


収録六分、ザキさんがお手洗いを借りる。三分後には帰って来ており、トークは続く。収録十二分、又吉さんとブッコローがお手洗いへ。五分後、又吉さんだけ帰ってくる。ブッコローはまだお手洗いにいると報告。さらに五分後、あまりにも遅いブッコローをスタッフが確認しに行き、数十秒後に悲鳴が聞こえた。

現場は男性用の個室トイレ。その中でブッコローの死体が発見された。彼の首には吉川線が発見されたが、死因は刺殺であった。彼は何かで何回も無惨に刺されており数分間苦しんだ後死んだと思われる。

個室の外側から鍵が掛かっていたので犯人は明らかに計画的にブッコローを殺した事とされる。犯人は後ろからブッコローの首を絞めたあとそのまま逆の手で刺殺している。現場には何らかのガラスの破片とダイイングメッセージらしきものも壁際に発見された。

そのメッセージは血文字で、165と読めた。


直ちに警察に連絡が行き配信はそこで終了させられた。又吉直樹、岡崎弘子、そしてスタッフ共々尋問のため連行された。警察はまずカメラに確実にあるアリバイを元に岡崎弘子と数人のスタッフを犯人から排除。最終的にはやはり又吉が最も疑わられ、そのトイレのドアノブについていた彼の指紋を最後の証拠として逮捕された。彼は最後まで反抗しており「違う!違うんだ!!」と叫んでいた。

その後彼は刑務所の中で精神が壊れてしまった。

この事件の”解決”から五年。俺っちはまだ調査を続けている。

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