第3話 耐久

M軍の本拠地は

『サステナブルエンジョイ』

という、いかにも後派な名前のビルだ。

ビルの正面玄関には、“It's justice to postpone”と書かれていた。


ウォーリーはビルのエントランスに入ると、あることを思い出した。


それは、各階にはエレベーターで行くしかないのだが、エレベーターのすぐ横にはエレベーターの看守であるアリーナがいるということだ。

彼女は、エレベーターの横に直接繋がっているため、移動はできないが、本部へ直接連絡することが可能。


見つかった瞬間終わりと思っていい。


彼女は今キーボードをタイピングしている。

おそらく、来客用の入場許可証を作っているのだろう。


看守の目を掻い潜り、無事エレベーターに乗るには、どうしたらいいか。


「(ならばこうするしか)」


ウォーリーはエレベーターと逆方向についている蛍光灯をビームで撃ち落とした。


「!」


アリーナはそちらを見たが、あまり気にせず、またタイピングし始めた。


「……危ない」


ウォーリーは蛍光灯を落として彼女の気を逸らしている間にエレベーターに入ったらしい。









ピンポーン


[5階に着きました]


「ふう」


ウォーリーの部屋は5階の1番奥にある。


「やっとだ……」


ウォーリーが部屋に入ろうとした瞬間、何かを察した。


「…掃除担当が中にいる!しかもあいつ、エアコンつけっぱなしに気づいてないだと⁉︎鈍感すぎるだろ」


しかも廊下の向こう側から足音が聞こえる。このまま掃除担当が出てくるのをここで待つわけにはいかない。


「……耐久するしかない」


そう言うとウォーリーはエレベーターの中に戻った。











一方前線Nでは…。


上司と部下の関係であろうロボット数人が、焦っていた。


しかしチャラい見た目の上司は、特に焦ってはない模様。


「押されます!引きましょうか?」


「いや、!うちにはウォーリーという素晴らしい方がいらっしゃるじゃないか!ねぇ?ウォーリー君!!!!!!……」


彼が指差した方向にウォーリーはいなかった。


「…誰もいませんが」


「……あっ!こっちか〜〜、おじさん(ロボット)間違えちゃったよ〜〜」


今度は逆方向に指差したが、誰もいない。


「え?じゃあこっち?あっち?そっち?どっち?」


360度どこにもいなかった。


「ナッシィィィィィィィ!!!!!!←上司の名前。

どこにもいないじゃ〜あーりませんかーwwwwwwww」


部下の1人が煽るように喋った。


「そんな馬鹿な。いや、嘘だろおい!」


ナッシーはトランシーバーに向かって叫んだ。


「テーへんだァァァァァァァァァ、ウォーリーがいなくなっちまったーー〜〜ー¡ーわーわーわ^_^ー~^_^a(gtrdtsm'jWhg( ゚д゚)@'lm.??(^^)jsj(at!!jrjj&_______________」


「せ、先輩!なんか言語がバグってますよ⁉︎」


「あら〜、ナッシーちゃん壊れちゃったの〜〜。まあしょうがないよね!」


「ァァァァァァァァァ@dvmpthmq.mt)gdJjgm_aq'pdha@jg?此方何wigdp13〒76565.679〒54=親と八百屋のそゆ(^.^)=64646○916497848485164646919○8[0ATGTJJJTJT////\////7あだ名他の山なめ😘」


ナッシーは暴れ回って、そこら辺にいるロボットを敵味方関係なく破壊しまくった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る