第7話 キム・スホの正体?




「ああああ~!今日も妙な夢を見た。何か優しそうな?そして……すがるような女性の声?あの女性の声の正体は何なのだろう?」キム・スホは幼い頃の記憶が全くと言って良いほど無い。


 ただ……時折「この子だけは助けて下さい。お願いですから!」

 泣きながら命乞いをする女性の声を耳にする事がある。


 そしておぼろげながらに、何かボヤ~ッとぼやけて……優しそうな女性の顔が今にも見えそうなのだが?靄が掛かりその女性の正体を確認できない。


(一体あの女性は俺の何なのだろうか?)



 

 *****


「仕事で3日間は家に帰れませんから」スホが母に話している。


 だが……やけによそよそしい話し方……?


「アア~そうかい?気を付けて」

 

 すると……その母と思われる女性が、スホに近付き手を握りスホの口元にキスをしようとした。

「僕は仕事で出掛けるので……ヤ…止めて下さい」


「……な~んだよ。冷たい……」


 本当の母親なのか?それでも……この母親かなりの資産家ではあるのだ。


 母親の仕事は雑貨輸入商社らしいのだが?その実態は掴めていない。



 それでもスホは今幸せの絶頂にいる。


 韓流スターの確たる地位も揺るぎ無いものになり、更には愛する彼女ジアンとの将来も見えて来ている。


 2人は時間が取れると高級車で、あちこちドライブデートを楽しんでいる。


 江村レールバイク:大自然を感じながら走る観光自転車。


 傾斜が緩やかなため、家族連れや恋人と楽しくおしゃべりしながらゴールを目指すことができ、都会の喧騒から離れ、2人は北漢江の豊かな自然を満喫している。


 また……広い敷地を有するソウル色公園は見所がたくさん。

水の光広場・水上噴水・ソウル色公園・ピアノの水路など。色とりどりにライトアップされ、幻想的な光景が広がっている。さまざまな角度に色鮮やかに変化する噴水と共に、美しいメロディーも流れてくる。


 また船上から夜景を楽しむ漢江クルーズや、63ビルでのちょっぴり贅沢なディナーも最高。デートの最後に別名「ゴールデンタワー」とも呼ばれている。地下3階から地上60階までの高さ264mにも及ぶ、韓国のランドマークとして位置付けられている63ビルの展望台からソウルの夜景を一望して、とってもロマンチックにキスを熱い抱擁を……。


 そして雪が舞う並木道で、男女がお互いの気持ちを打ち明けるシーンは、韓流ブームの火付け役『冬のソナタ』の名場面。ロケ地となった南怡島(ナミソム)は、以来デートスポットとして多くのカップルたちに愛され続けている。


 2人はこの南怡島(ナミソム)で永遠の愛を誓った。



 そんな幸せ一杯のスホとジアンだが、ジアンの父親韓国財閥ミレ自動車社長から突然


「2人の付き合いは絶対ダメだ!」と釘を打たれたのだった。


 あれだけ……今まで2人を暖かく見守っていた社長が何故?


 2人は不幸のどん底に突き落とされた。



 ******


「お前はどういうつもりだ?儲けているお金をサッサと送金しろ!」


「私は祖国に関係の無い身の上、そんな事は出来ません。」


 一体誰と誰の会話なのだろうか?




 🌊~~🚢~~


 ※韓国で生まれた男性の両親は、彼が10代の頃に北朝鮮への移住を決めた。その理由は当時の北朝鮮は、朝鮮戦争(1950─53年)の影響が残る韓国より豊かで、教育や医療制度が無料だといううたい文句が決め手となった。 


 その男性は約束の地「楽園」に向かうのだと思っていた。だが……現実は違っていた。男性がその地で長きにわたり耐え忍ぶことができたのは、ひとえに日本にいる異父兄弟から受けた多額の現金支援のおかげだった。


 在日朝鮮人は、北朝鮮に残る妻と子どもたちを日本から支えている。地下核実験を強行した北朝鮮に対する締め付けが一層強化され、日本や韓国から北朝鮮に仕送りをする他の人と同様、彼等もまた妻子向け送金に対する監視が強化されたことを実感している。その理由は、北朝鮮が強行した3度目の核実験に対して、国連安全保障理事会が新たな制裁を決議した。


 同国北東部の豊渓里(プンゲリ)で2006年、09年に続き13年2月12日にも、3度目の地下核実験を強行した、日本の財務省は北朝鮮への送金への監視を強化していたとみられる。男性が郵便で平壌にいる家族に20万円を送ろうとしたところ、その2日後に財務省から送金理由の説明を求める手紙が届いた。


その男性は「一番下に(送金の)詳細な理由を書く欄に、『これは金正恩の政治基金向けではなく、私の貧しい家族の生活のため』と書き込んだ」と語った。


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