第2話 一家殺害事件


 



 山々や街路樹が赤や黄色に染まり少しずつ葉を落とし始めて*⋆✰*🍁・*⋆✰葉っぱの絨毯が路面に敷き詰められたように鮮やかなそんな霜月の11月。


 2000年前後は、就職氷河期の最たる時期。


 そんな時代の2000年11月の事だ。

 岸田隼人17歳は、部活の帰りにいつも立ち寄るお好み焼き屋に、部活の連れ純也と入った。


 いつも頼む大好物のミックス焼きを食べていると二ュ-ス速報が入った。


 テレビから伝わる異様な悲壮感とでもいうのだろうか?何かとんでもない事件が起こったらしい事は、おびただしい警察官や警備車両、更にはレポ-タ-の切羽詰まった表情から察しは付く。


「東京都港区赤坂の住宅街で一家3人が、鋭利な刃物で刺されて全員の死亡が確認されました。遺体はこの家の妻岸田詩織さん43歳、長女岸田すみれさん15歳、次女岸田百合さん13歳です。殺害犯人は誰なのか?殺害動機は何なのか?怨恨・痴情の縺れ・金銭目的など詳しい事は追ってまた放送します。」


「エエエエ————!俺の家族じゃないか?一体何が有ったんだ?俺が部活で朝の6時に家を出る時は、おふくろも妹達も元気だったから、その後誰かによって殺害されたんだ!グウウウウ(´;ω;`)ウゥゥワァワァ~~ン😭」


「オイ!元気出せよ!」


 純也も必死で慰めているが、隼人はショックの余り立ち上がる事も出来ない。




 ▽◆▽

 岸田家は港区赤坂の高級住宅街に、広々としたお洒落な豪邸を所有の資産家。

 父親は玩具メ-カ-【キシダコ-ポレイション】社長

 

 実は人の噂ではパチンコメ-カ-だと言う噂も、漏れ聞こえてくるのだ。

 更には先代の社長は北朝鮮出身との噂。


 実際の所ははっきりしないが?何か……訳アリ家族である事は間違いないようだ。



 一体誰がこんな残酷な事を?


 ※2000年前後は、景気低迷による業績悪化というよりは、バブル期の1986年12月 – 1991年2月までの過剰採用の反動で、各企業を採用抑制に向かわせ新卒者が就職困難になり、フリーターや派遣労働といった社会保険の無い非正規雇用(プレカリアート)になる者が増加した時代。

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