綾小路鈴華の野望
はじめまして。
身長140センチ体重36キロのお陰で、幼く見られがちですわ。高校3年生ですのに…。
家は一般世間様とは、ちょっと異なりまして……あ、でももう、お
それでも我が家は、まだまだその名残りがありまして、……
もう、この話しはつまらないのでやめにしましょう。
私には両親がおりません。
私が産まれてすぐにお母様がお亡くなり、お父様ひとりでは育てられないと、お祖父様とお
今はお祖父様と私、住み込みの
先日、お祖父様のお誕生日でしたの。
私はお祖父様になにをプレゼントしようかと悩みまして…そうだ!お祖父様はコーヒーが好きだから、コーヒーのお店をプレゼントしましょう!と、とても素晴らしいアイデアが浮かびましたの。これならお祖父様もびっくりなさって、きっと喜んでいただけますわ。
その時、家に出入りする者が二人おりましたので
翌日、お祖父様に呼ばれてお座敷に行きましたの。まさか、サプライズがもうお耳に入ってしまったのかしら?という予感で。
「鈴華、お前は店が欲しいとあの者達に頼んだかね?」
後ろの隅に、昨日のお二人が座ってるのを確認して「はい、さようでございます。ご相談させていただきました。」と答えましたの。
お祖父様はため息を
そして、お祖父様のお誕生日の朝、お祖父様から頼み事をされました。とあるお店で、コーヒーをテイクアウトしてきて欲しい、と。
そのお店は以前、私がお祖父様にプレゼントしようとしてたお店でしたの。
お祖父様が一度だけ、コーヒーを飲みに行きとても美味しかったからと。
コーヒーを淹れてくれた少年は、私と同じ歳で、名は【藤川翔吾】という。
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