第2話 貴族の少女①

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 エーナ・カスケード 女 12歳 辺境伯の三女


 LV885 HP55599 MP125908

 STR 2560 VIT 8602 MND 25074

 SPD 900 DEX 1460 INT 34119

 LUK 132


 スキル

 異世界言語A 空間収納A 鑑定眼A 隠蔽A 探索A

 アブソーブS 病耐性D


 属性魔法適性

 火、水、風、雷、聖、闇


 加護

 精霊の加護


 アイテムボックス

 異世界ガイドブック 1

 ナナの餞別(困ったときに使ってね♡)1

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 少女のステータスとは思えない異常なレベル値はガイドブックに載っていた勇者を超えている。

 そして空間収納内のアイテムにはちゃんと異世界ガイドブックが収められていたし、怪しい餞もあった。


(性別以外は概ね予定通りだな)


 エーナの12年間分の記憶も持っているので先ほど転生したとは思えない感じになっている。


 コンコン


 ノックがされ、こちらは何も答えないのにメイドが入ってくる。


「おはようございますお嬢様……今日も天気がとてもよくて、気持ちいいですよ……」


 目も合わせず、なんだかテンションが低い。せめてこちらは明るく対応しようと張り切ってみる。


「おはようございます。ラルンテ!」


 メイドの名前も覚えているし、自然と対応できてる。何より発する言葉は可愛くなっている。


「! ェ、エ、エ……エーナお嬢様あああああっ!!!!」


 挨拶に驚き振り向く。目には涙を一杯溜め、駆け寄り抱きつくラルンテ。


「よかったぁー本当によかったーーゔ、ゔゔーー」


 安堵からの号泣なのか。いまいち状況が掴めず記憶を遡る。

 直近の記憶は高熱でうなされている記憶だった。しかも数日前の記憶かもしれない。


「ラルンテ、もう大丈夫だから落ち着いてちょうだい。私どれくらい寝ていたのかしら」


「お゛嬢様はーも゛ゔ、4日も゛ーーだがら、も゛ゔダメ゛がも゛じれ゛な゛い゛ってぇぇぇえええ」


 なんとなく推測するに死の宣告ではも受けていたのかもしれない。幼少期から世話をしてくれていたラルンテのことだ、とても心配していたのだろう。


「はっ、旦那様と奥様を呼んできますね。動いちゃダメですよ!」


 仕事モードに切り替わり、「旦那様ー!!」と叫びながら慌てて部屋を飛び出していった。


 この後の事を考えると、もしかしたら体調を検査する際にステータスを調べられるかもしれない。

 そう思って早速隠蔽を発動させステータスの改竄を始めた。


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 エーナ・カスケード 女 12歳 辺境伯の三女


 LV8 HP25 MP70

 STR 6 VIT 6 MND 15

 SPD 9 DEX 10INT 34

 LUK 13


 スキル

 病耐性D


 魔力適性

 水


 加護

 精霊の加護

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 これなら大丈夫? だろうと。一息つく間もなく。両親と姉達がゾロゾロと部屋に入ってきた。顔を見るなり、やっぱり抱きついてくる。先ずは母親から


「あぁーエーナ、私のエーナぁぁ。もう、大丈夫なの? 痛いところは無い?」


「エーナ本当に大丈夫なのか? ヨルガルドが神官に掛け合いこちらに来てもらうことになっている。念のため観てもらいなさい」


 そう言って優しく頭を撫でてくれる父。

 ヨルガルドは兄さんのことだ。次期当主が出向いて行くのだから神官は断りづらいだろう。

 最後は双子の姉さん達。左右から挟まれる形で抱きつかれる。


「「もう、エーナちゃんなかなか起きてくれないから、すっごくすっごく心配したんだから」」


 驚愕のハモり。わざと言ってるとしか思えないのだけど本人達に自覚はない様子。


「ユーナ姉様、リーナ姉様、心配かけてごめんなさい」


「「もうどうでもいいわ、エーナが元気でいてくれるならぁぁぁ」」


 頬を寄せ合い顔も挟まれる。優しい家族達に囲まれて、これだけでも、エーナの家族は凄いと感心してしまった。


 前世を思い出すと、母は小学生に入る前に病気で天国に行ってしまったので思い出は少ない。

 兄弟はいないし、父との思い出もこれといってなく、俺を育てる為にただただ仕事ばかりしていた記憶しかない。


 だからこそエーナとして、この命謳歌してみせようと決心しだのだ。


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