高校ではじめての夏休み

ようやく、待ちに待った夏休み。



学校もすべて忘れてのんびり

自分らしく過ごせる~!



『ん~……』

誰もいない教室で、手を大きく広げて伸びをした。



自然と笑顔になり、階段を降りる足取りは軽かった。




そして、花火大会や夏祭りは

彼とずっと一緒に居た。



夏休みも中盤に差し掛かった頃

スカートのポケットのスマホが鳴った。




心臓が嫌な速さで鼓動する。


メールを開く。

差出人は、スポーツ大会で仲良くなった子からだった。



「元気~?」



『元気だよ~』


学校の事を忘れかかっていた記憶が少し呼び戻される気がして

妙な感覚がした。



そして、学校から離れてるし

夏休みだから、テンション上がったまま、メールの返信をしてしまった。




学校での、私は、あまり自分の事を深く話すこともなく

とびっきりの笑顔を出してる訳でも、私はただの暗いヤツを装ってただけだから

テンション上がってるメールに

驚かれ、引かれてしまった。



『本当の私は、こうなのに……。』



もどかしい気持ちで

自分にもうんざりした。


そして、夏休みも終わりを迎える頃




私には、妙な感覚が襲っていた。



『もう、休みもほんの少しか……。』

『また、学校が始まるのか……。』

『嫌だな……。』



すっかり、暗い気分になってしまった。



きっとまた、学校が始まれば、

いつもと同じように、必ず一回は嫌みを聞こえるように言われ

ボールを投げられ

苦しむ。




そんな日々がまた始まるのかと思ったら、死にたくなる。




決して、いじめが無くなるとか

みんな普通に接してくれるとかそんな事99%願ってはいないし、思ってもない。




ただ、ほんの1%だけでも、いい方に変わるって思ってた。




けれど、違ってたんだ。



そんな、願い事叶うわけなんてなかった。



相変わらずだよ。




朝、登校すれば、なにかを言われ、ただ歩いていれば、なにかを言われ

シューズロッカーのところで靴を履いていたら、扉が当たったと大騒ぎされ、

そんな、本当に、うんざりする毎日を送っていた。

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