付箋:執事片岡の覚え書き③

 テーブルの上に残る煌々と光り輝く『希求筆記帳』が、辺り一面を照らし出していますね。最初の頃と比べて、ページ数もだいぶ分厚くなりました。皆様、たくさんのページに思いを描き出されたようですね。


 書くことが苦手な、アオバ様。

 同学年とうまく付き合うことが苦手な、タカラ様。

 正確に注意を向けて覚えることが苦手な、ユタカ様。


 そう。あの三名の皆様はそれぞれの日々の中でやり辛さを抱え、真っ黒な暗闇に閉じ込められているようでした。しかし、お見受けしたところ、内々に秘めている強い思いは、大きな世界を描き出せるだろうと感じました。これならば、きっとあの『希求筆記帳』を使いこなせるだろうと。


「大人の論理で考えるから、何も始まらないのだ。学校の主役は子ども。子ども主体で考えなければ、何も変わらない」


 誰かの言葉でございましたね。


 さて、皆様は帰られてしまいましたが、本日の夕食は何になさいましょうか。教えていただいたあの『学校給食リクエストメニュー』とやらを、再現してみてもよいかもしれませんね。

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