第4話 実食!



「てなわけでね。料理ができたんで、食べてもらおうと思うんですけど、同期の二人に加えてもう一人来てもらっております」


「どうも、V COOL代表の桜 京寿郎です」


『社長!?』

『ヤバ!?』

『すげぇ!』


「それじゃあお三方、着席してもらって」


「ど、どんなのが出てくるんだろう…」

「万葉くん、お金のことは食べないで考えようね…」

「雅くんが何を作ったのか楽しみですね~」


「では、さっきも言ったんですけど左から鯛しゃぶ、漬け丼、刺身に鯛の味噌汁ですね。スタッフさんもどうぞお食べください!」


『裏で歓声上がってて笑う』

『めっちゃ嬉しそう』

『でも同期はお金の事しか頭にない模様』

『言いかたぁ!』


「まぁ最初は鯛しゃぶから食ってもらおうかな!」


「万葉くん、せーので食べない…?」


「そうだね、そうしよう」


「「せーの!」」


「「………」」


「ありゃ、20代の子には早かったかな?」

(こいつも20代です)


『こいつまだ社会に出て数年の子になんてもん食べさせてんだ』

『お、マイクがバグったか?』

『いやこれ美味すぎて反応できないやつだ』

『俺も下層のもんとか食ってみてぇなぁ!』

『食いたいやつは高級寿司とかにいけば一貫十万くらいで食えるから行ってこい』

『一貫十万はやばすぎて草ぁ!』


「では社長もどうぞ」


「では、頂こうかな!」


『社長だけ実写なの草』

『そりゃ社長だし…』

『永遠乃 悠久;後輩くんたちのデビュー配信見てたらえげつないの出てきてて草』

『悠久さんがいるぞ!?』

『いや、まぁ一応デビュー配信だし…』

『同接80000越えてて草』

『デビュー配信だと過去最高じゃね?』


「うーん!美味しいね!脂が乗ってるのに全然くどくないしいくらでも食べれるよ」


『ちょっと誰か俺と寿司屋行こうぜ』

『奇遇だな、俺も魚が食いたいところだ』

『今なら回転寿司の魚全部食べ尽くせそう』

『なんか魚に飢えたバケモノが生まれ始めてる』


「では、お次漬け丼とお味噌汁をどうぞ」


『同期二人黙々と食べてることしか伝わらないの笑う』

『裏はめっちゃ盛り上がってるのにな』

『スタッフはこの会社に一生ついていきそう』

『先輩たちの同時視聴配信ほぼ全員喋ってないの草』

『そりゃこんなん見せられたらなぁ…』


「うん、漬け丼は生姜のすり下ろしがいい味出してるね!味噌汁は鯛の出汁がすっごい濃い。甲殻類の味噌汁くらい味がしっかり分かるね」


「ちなみにいつかイベントかなんかで振る舞う予定なので告知を見逃さないようにね!」


『うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』

『あなた様が神でしたか…』

『俺絶対チケット取る。これだけは負けれない』

『食べれたら死んでもいい』


ちなみにこの日にV COOLの公式トゥイッターのフォロワーが50000人近く増えたらしい


「次がメイン、刺身ですね。俺は魚は刺身が一番好きなんでね。刺身を捌きました。これも公式トゥイッターで写真あげるんでみなさんあとで見てみてくださいね~」


『河豚の刺身みたいな皿が6枚あるのに刺身一枚一枚が2cmくらいあるのバカだろこれ』

『ちょっと俺も見てくる』

『マジであたおかな量と大きさ使ってて笑う』


「そろそろ時間っすね」


「一応雅くんだけ45分って話だったもんね」


『これほど濃い45分はない』

『二人の印象が薄くなるくらいこいつが濃すぎる件について』

『マジでヤバイやつだったな』


「てなわけで休憩はさんで十分後に三人で挨拶して配信終わるんでしばしお待ちを~」


『ここまでの逸材は良い意味で頭おかしい』

『伸びる気配しかしない』

『今の時点で登録者10万人越えてるのやば』

『ファ!?マジやん』

『十分かぁ、なげぇな』



ふぅ、やりたいこともできたし今回のデビューは満点だな。視聴者受けも良いし。

とりあえずあの二人の意識をこっちに戻さないと。


「万葉くん?蜜柑ちゃん?大丈夫そ?」


「いや、もう、言葉がでないくらい美味しくて…」


「何て言うか…あの世の物食べてるみたいな感じになってて…」


「美味しいっていってくれるのは嬉しいけどあと十分で配信再開するから準備してね。二人のご家族にも一応お土産用意してあるからそれ持って帰ってね」


「「ワカリマシタ」」


「なんで片言?」


「あんだけ食わせてもらったのに家族にこのお土産なんて説明しようかと思って…」


「私も…」


「なんかあったら俺に連絡してくれればいいから」


「「分かりました…」」


「ほら!配信そろそろ再開するから準備準備!これ水ね!」


◆───配信再開


「はい、じゃあ締めに入りましょうかね!」


「みなさんすみません、美味しすぎてなんも反応できなくって…」


「未知の味だったもので…」


『そりゃそうなる』

『仕方ない』

『大丈夫やで!』


「てなわけで、我ら三季組をみなさん応援してください!明日の配信は三人でEPEXをしようと思ってます!ではみなさん!ありがとうございました!」


「「ありがとうございました!」」


『いや~一人を除いていい配信だったなー』

『いやマジで一人を除いて神だったわ』

『一人を除けばすごかったな!』


「そんなこと言うならイベントで食材提供するのやめるかぁ…」

わざとらしく言ってやる。


『すみませんでした』

『本当にマジで謝るんで勘弁してください』

『お前ら!こいつに歯向かったら俺たちの食材がなくなるぞ!』

『下層の食材人質にしやがって!』


「まぁいいや、これで配信は終わります!ではみなさん、サヨナラ~」


『サヨナラ~』

『バイビー』

『これからも期待してるぜ!』


この配信は終了しました


◆──【俺が春野 雅だ!よろしくぅ!】


最高同時接続数 13万

高評価 3万5000


春野雅 登録者 130000人

秋風 万葉 登録者 35000人

夏風 蜜柑 登録者 45000人

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