北海道中膝栗毛

緋月慶也

北海道へ行こう

 202x年3月某日のこと。

意気揚々と自分のアパートから出た私は、重いキャリーバッグを転がしながら駅へと向かっていた。

駅に着き、電車を待つ私。その心の中は、北海道への渇望でいっぱいであった。

やっと来た電車に乗ると、しばらくの間、電車に揺られモノレールが通る駅に向かった。モノレールが到着すると少し急ぎ足で、がらがらと音を立てるキャリーバッグを横目にしながら車両へ乗り込んだ。

軽快な音楽とともに、閉じる扉のそばへ近づき、空を飛ぶ飛行機をじっと見ながら

さらに心躍らせた。

空港に到着すると、ちらりと自分の腕時計に目をやり、余裕があることを確認すると

パンフレットをバサッと開き、カツサンドを買えることができる店を探した。

しばし時間が過ぎ、とある店に決めた私は荷物を手荷物カウンターへと預けると

人混みの中を、すり抜けるようにして店へと向かった。

ようやくお目当てのカツサンドを買えた私は、すこし上機嫌になりながら、その足で

保安検査場へと向かった。無事検査を終えて、少し歩くと、飛行機が飛んで行く

姿が見えた。さらに高ぶっていく心を抑えながら、ゲートへ向かい飛行機へと乗り込んだ。窓の外ではせわしなく人やコンテナが動いている。旅はまだ始まったばかり。

そう思いながら私は、イスに深々と座った。

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