第4話

「そう言って頂けて助かります。それでは先に進みましょう」


「待ってください!今から?もう辺りが暗くなってくる時間ですよ?」


今日は既に日が沈み始めていて今から戦うのは条件良くないんじゃない?


と言うか半日以上影狼に乗って移動し続けてたから疲れてるんだけど。


「敵がいるのが分かっている森の中で2人で野営ですか?私は絶対に嫌ですよ?しかも相方は戦闘経験皆無な人な訳ですし」


ハッキリ言うな〜確かにその通りだけど。


そもそもスレイさんの事だって信用出来ると決まった訳じゃ無いし。

それはスレイさんからしてもそうだ。


「言いたいことは分かりましたが戦闘経験皆無のド素人が夜に戦闘をするなんて無理だと思いません?」


「安心して下さい。私もそこまで鬼畜では有りません。ここからそう遠くない場所に敵の簡易拠点があったんですよ。そこに戻ってそこの5人以外にも工作員がいるか確認したら仕事終わりです。何なら戦闘が起きない可能性もあります」


成程?2人で敵の拠点を叩くとか正直嫌だけど、やらない訳にはいかないか……


影の茨で消費した魔力を回復しておこう。


吸魔は発動して魔力を回復させる。


問題は魔法陣が展開されてしまうからスレイさんに何かしているとバレてしまう事だな。


かと言って魔力回復をしないで戦闘になった結果ピンチになるとか嫌だからな。


現状〈影狼〉以外には吸魔の効果を組み込む事は出来ないからな。

それに〈影狼〉だって発動に必要な魔力は俺の魔力を消費するからな。


魔力は回復できる時に回復しとかないと。


「何をしたんですか?」


「魔力の回復ですけど?」


「魔力の回復?」


「魔力の回復。因みに魔法陣を教えるつもりは有りません。それとこれは闇属性魔法なので、闇属性に適性がないと使えません」


闇属性と対極の属性と呼ばれる光属性。


光属性はバフが使えたり回復魔法が使えたり結界魔法が使える。


闇属性はデバフ、状態異常魔法が使える。


光と闇ってだけで対極な感じがするけど。


使える魔法も正反対な感じだ。


まぁ、俺が開発するまで闇属性はデバフ、状態異常魔法しか使えなかったけど。


これは分かりやすくバフの正反対だな。


で、吸魔が闇属性魔法な理由だけど。


傷を癒したりする回復魔法の正反対に位置する魔法だからだ。


生命力を与え傷を癒す回復魔法に対し対象から魔力を奪う吸魔って訳だな。


これ考えようによっては敵から生命力を奪って傷を癒す魔法も作れそうだよね?と思って研究してるんだけど。上手くいかないんだよね。


そもそも吸魔だって現状大気中からしか魔力を吸収出来ない。


吸魔を生き物から魔力を吸収出来る魔法に改良する事が出来れば、他の生き物から生命力を奪って自分の傷を治す魔法を作る事が出来るようになるかもな。


尚、結界魔法の正反対に位置する闇属性で使える魔法に関しては……

影の茨とかが一応そのグループになるのかな

影と言うフィールドから茨を生み出しているから。


そもそも結界魔法の範囲が広いからな。


結界内の温度を一定に保つって効果の魔法だったり


結界魔法と言われたら1番に想像するだろう攻撃を防ぐ障壁を作り出す魔法だったり。


結界内のアンデッドに継続ダメージを与えるって言う魔法もある。


この通り結界魔法と一言で言っても効果が色々ある訳でもっと細分化しても良いんじゃない?と思わなくもない。


という訳で多分だけど。影の茨は結界魔法の正反対に位置する魔法と言う訳だ。


後はアンデッドを作り出す魔法とかも結界魔法の正反対に位置する魔法って事で闇属性に適性が有れば使えちゃいそうな予感もするんだけど。

禁忌っぽいので手をつける気はない。


そもそも、なんで闇属性で使える魔法デバフ、状態異常魔法しか使えないって認識なんだろうな。


例えばだけど。ダークランス見たいな攻撃魔法が存在しても良いはず何だよね。


他の属性魔法には○○ランスって魔法は存在する。


光属性だってシャイニングランスって光の槍を発射する攻撃魔法がある。


まぁ、闇属性だけに○○ランスって言う攻撃魔法が無いなら無いで、誰も闇属性のランス魔法を作ろうとしないのは何故だろう?


俺以外にだって闇属性の適性しかなくてバカにされた人はいたはずだ。

その中に見返してやるって闇属性の新しい魔法を開発する為に研究をした人物はいなかったのか?


ランス系の魔法は基本の魔法だから調べれば誰でも魔法陣を覚える事ができる。

威力を上げたりする為に魔法陣をカスタマイズする魔法使いも多いけどね。


と言ってもランス系の魔法陣が公開されているから。


属性を意味する魔法文字の部分を変更するだけで闇属性のランス系の魔法に改良する事が出来た筈なんだよな。

属性事に違うのはそこだけなんだから。


なんと言うか、闇属性を発展しないように何か制限されているような感じがするんだよね。


人間にではなくもっと上位の存在に。


そう考えるとこうやって色々闇属性の魔法を作っちゃったのは不味いかなと思わなくも無いけど。

この事に気づいたのがある程度新しい魔法を作った後だったからな。今では開き直って新しい闇属性魔法を作って使っている。


最低限ヤバそうな魔法は作らないようにしているけどねそれこそアンデッドを作る魔法とか。



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読んでいただきありがとうございます。





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