ヤンキー彼氏は素直じゃない

第13話 甘党

水元先輩は甘いものが大好きだったみたいで目の前には、女の子でもこんなに頼まないであろうという量のスイーツが並んでいた。

｢水元先輩、甘いもの大好きなんですね…｣

｢そうだねー！洋菓子とか和菓子とかも大好きなんだよね！｣

｢蒼也兄さん昔から甘いものばっかりでおばさんから怒られていましたよね？｣

｢そうなの！？｣

｢俺の体は甘いもので出来てるからな！！｣

｢なんなんですか、それ！｣

そんな話をしながら、お茶をしていると由莉が突然あることを聞きだした。

｢蒼也兄さん、八神先輩のことで聞きたいことがあるんですけど。｣

｢ん？何？｣

｢八神先輩って彼女いるんですか？｣

｢ちょっ、由莉！｣

｢んー。いないよ！｣

｢いないのか…よかった。｣

｢いないけど、あいつは彼女作らないよ｣

｢どうしてですか？｣

｢あいつ、心に決めた女がいるから｣

水元先輩のその言葉に、胸が締め付けられるような思いをした。

｢どういうことですか？｣

｢…それは焚翔のことだから俺から話すことは出来ない。｣

｢そうですか。｣

｢でも。あいつあんなんだけど、本当は素直で一途だから。だからこそ忘れらんないんだろうなー…｣

｢八神先輩って見た目に反してすごく優しくて後輩思いな人ですよね｣

｢…そうだね。そこがあいつの良い所なんだよ｣

｢私じゃ…勝てませんかね｣

｢詩ちゃんが勝つとかの話じゃないんだよ｣

｢蒼也兄さん、どういうことですか？｣

｢詩ちゃんと焚翔の想い人は一生会えないからね｣

そう言った水元先輩の表情を見て私たちは、なんとなくだが事情を察した。

｢なんか…ごめんなさい｣

｢いや、いいんだよ！でも、俺が少し話したってことは焚翔には内緒な！｣

｢はい｣

水元先輩にそう釘を刺されたけど、さすがに直接本人に言えないなって思った。

｢まぁ、焚翔を好きになったなら覚悟はしといた方がいいよ？｣

｢そう…ですね…｣

水元先輩からそう言われてモヤモヤした気持ちのまま女子会？は解散になった

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