第11話 観覧車で気づいた気持ち

「さて先輩!遊園地で最後と言えばやっぱりあれですよね!」


「あれ?」


「遊園地の最後と言えば…観覧車ですよ!」


「あぁ…」


「もしかして観覧車も苦手ですか?」


「観覧車は大丈夫」


「…」


「なんだよ」


「だって、お化け屋敷大丈夫って言ってダメだったじゃないですか!」


「観覧車は大丈夫なんだよ」


先輩はそう言ってるけど本当に大丈夫なのか心配だったけど、乗ってみたら本当に大丈夫だった。


「先輩、本当に大丈夫なんですね」


「だから言っただろ?」


「疑ってすみませんでしたっ」


「いや、別にいいけど…」


観覧車に乗ったのはいいけど、改めて考えると密室に2人きり…


「(やばっ…なんにも考えてなかった。どうしよう)」


「葉山」


「は、はい!」


「お前さ、俺の事怖くねぇの?」


「まぁ…最初、ぶつかった時は怖かったし関わったらダメだと思ってたんですけど、今は怖くないです!」


「なんで怖くねぇの?」


「先輩ってただクールで不器用なだけなのかなって思うようになったんですよね。可愛いところもあるし!」


「可愛くねぇよ」


「それに…」


「それに?」


「今は…もっと先輩のことが知りたいです。」


「俺の事?」


「はい。なので、これからも仲良くして欲しいです!」


私がそう言うと八神先輩は驚いた顔をしたあと"フッ"と笑うと"仕方ねぇな、仲良くしてやるよ"と言って私の頭をポンポンしてきた。


その時に私は改めて気づいてしまった…


"先輩のことが好きなんだ"って。


「…もう終わりだな。降りるぞ」


「はぁい」


私たちが降りて遊園地の出入口に向かうともうみんなが居て、遅かったから茶化されたけど"楽しかったね"って話をしながら帰宅した。


先輩への気持ちに気づいた私は、来週からどう接したらいいのか悩むことになるのだった。





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