その6。「レベル上げの相手と言えば格上だろ?」②
「———はっっ」
『む? 汝は奇妙なスキルを持っておるな』
俺は生き返ると同時に地面に膝をつく。
一瞬でやられた……反応すらできなかった。
やはり圧倒的なレベル差の前になす術は無いか。
この真紅の竜———炎竜王フレイヤのレベルは100がMAXの所———180だ。
ゲームの終盤にレベルの上限を上げるイベントがあるらしく、そこで上限が200になるらしい。
なので今の俺では到底敵わないどころかアリ程度にも思われてないだろう。
因みに我が両親は共に75だ。
思った以上に高くてビビった。
しかし目の前の敵はその両親の2倍以上のレベルを持っており、尚且つ初期ステータスも人間より遥かに高い。
このモンスターに正面から勝てるのは、レベル200で最強装備を着た主人公パーティーくらいだろうな。
だが俺は奴らとは別の方向で勝つ。
俺はステータスを確認。
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セーヤ・フロント
人間 6歳
レベル:1
《ステータス》
体力:101/101
魔力:130/130
攻撃:14+100
防御:11
敏捷:14
魅力:94(固定)
幸運:91(固定)
《固有スキル》
【死に戻り】
《スキル》
【探剣術:Ⅲ】【身体強化:Ⅲ】【付与:Ⅲ】【鑑定:Ⅲ】
《魔法》
【火魔法:Ⅲ】【水魔法:Ⅳ】【風魔法:Ⅲ】
【地魔法:Ⅲ】
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よし、しっかり上がっている。
これも【死に戻り】スキルの効果で、死んだ時に食らった攻撃の種類でステータスが1上がるのだ。
因みに魔法攻撃なら体力と魔力が上がる。
まぁ基礎ステータス上昇上限が99までと言うのがあるが……この調子で勝てるまで頑張っていこう。
「行くぞ———はぁあああああ!!」
俺は【身体強化】を使って身体能力を上げ、【付与】で短剣に水魔法を付与する。
炎竜王は水が弱点なので、使わない手はない。
俺は全力で走り、炎竜王に向けて短剣を突き刺すが———『ガキンッ!!』と言う音と共に弾かれてしまった。
その衝撃で思わず仰け反り体勢を崩す俺に《炎竜王の息吹》が炸裂。
《死亡しました。固有スキル———【死に戻り】が発動します。魔法攻撃で死んだため、体力・魔力ステータスが1上昇します》
「———ッ」
『まだ蘇るか! これは初めてであるな! もっと楽しませてくれ人間の子よ!』
嬉しそうに炎竜王が尻尾が振るう。
俺は何とか短剣でガードしようとするも、あっさり力負けして潰された。
《死亡しました。固有スキル———【死に戻り】が発動します。物理攻撃で死んだため、体力・攻撃・防御・敏捷ステータスが1上昇します。短剣術がレベルアップします》
「———はっ!」
俺は再び蘇る。
その瞬間には目の前に鉤爪が迫っており、短剣でガードすることも出来ずにズタズタに切り裂かれた。
「———うぐっ……おえっ」
生き返る。
しかし体が死ぬ直後の事を覚えているため、全身がブルブルと震え出し、吐き気と共に胃にあるものが逆流してきた。
僅か数十秒の間に3回も殺されているのでしょうがないと言えばしょうがない。
しかし俺は死にたく無い。
この【死に戻り】スキルにも欠点があり、暗殺や毒殺など、自分が認識していないモノに殺されると発動しないのだ。
だから毒を飲んでも死なず、暗殺にあっても刃が通らない体をいち早く作っておきたい。
「おえっ……ふぅ…………よし、まだまだ行くぞ———はぁあああああ!!」
俺は自分の未来の為に全力で炎竜王に向かって攻撃を仕掛けた。
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