第6話 魔法合戦

「じゃあ!そろそろ始めるよー

 第一げぇむ 魔女狩り

 スタート!!みんな頑張ってねぇー」


 その瞬間、信徒の二人が動き出した。


(ヤッベぇぇーーー

 俺も離れねぇと、、、)


 ヴァンの近くにいた俺は校庭の端の方に走り出した。

 よく周りを見るとみんなそれぞれの方向に走っている。


(あ、でも俺は最悪、自分の正体を明かしてでも闇の力を使えばどうにかなるかもしれない、、、

 となると問題は、、、師匠の娘だッ!!)


 俺は信徒の二人を見た。

 セドナ(水の勇者)は先程、放送の声に対して質問をしていたシルクハットの女に突撃していた。


「おら、おら、おら、おらぁぁぁーーー!

 このあたしから逃げられると思ってんのかぁ?」 


「僕に来るのか、、、

 てか、僕が逃げられないなんて事は絶対にないよ。」


「その余裕がいつまで続くかな!

 水属性魔法、津波ウェーブ!」


 そう唱えるとセドナの下から波が出てきてセドナを乗せたままシルクハットの女に覆い被さった。


「ヒャッハーーー!

 ん?あれあいつ、、、あんな威勢張っといてこんなあっさり死ぬのかよ!

 クソが!また新しいやつを、、さ」


「僕が、、、いつ死んだって?」


 波に飲まれたはずのシルクハットの女はセドナの後ろに立っている。


「な!?お前は何者だ?」


 セドナは思わず後退りする。


「僕?

 僕の名なんて知ってる人は"もう"いないと思うけど、リアス•アディーって言うんだ。

 アディーって気軽に呼んでよ!

 まぁ、君が僕のことをそう呼ぶ時は、、、来ないと思うけどね、、」


「お前、ガチでイラつくな」


 ***


 一方ヴァンの方は、、、

「@#&○$€%」


 何かの呪文を唱えている。


 すると突然手の甲をこっちに向けた。


「無属性魔法、、、引力マグネット!」


 その瞬間、俺を含めた近くにいたヤツ全員がヴァンに向かって引き寄せられ始めた。 


「ははは!誰にしようかなぁ、、、

 一番面白くなりそうな、、、やつは、、、

 あ、先生、、、貴方に決めた!」


 ヴァンはガイラ(先生)に手を伸ばした。


「お、おい、やめ、やめろぉぉぉー!」


「1、、、2、、、3!」


 その瞬間、腕の部分に紋章が付いた。


「あー、この紋章が目印なんだぁ。

 あ!先生はありがとう!僕を助けてくれて笑。」


「お前、、、一線を超えた、、、な」


(ん?どうした?先生の様子がおかしいぞ)


「んあ!クソ!今のは何だ?、、、」


(良かった、戻ったみたいだ。)

 そして、ガイラはひと通り周りを見渡した後に呟いた。


「ごめんな、、、俺も生きたいんだわ」

 突然、ガイラは表情を変え、睨むような顔で

 どこかを見たと思ったら、ある女子生徒の所へ剣を踏み込む時のような感じで近づいた。


 その少女は白くて、長い髪の毛に赤い瞳、黒いワンピースを着た可愛いと綺麗を合わせたような顔をしていた。


「ヒャッハーーー!

 お前には悪いが信徒役を変わってもらおうか!」


(あいつ!?もう殺すような勢いで飛びかかってるぞ!

 しかも、少し言動がおかしい、、、

 精神破壊の効果がもう出てきているのか!?)


「キャッ!ちょっとやめてよ!

 こっちに来ないで!」


 その少女は一回目のガイラの踏み込みを右に体ごと倒して回避したが、その反動でそのまま倒れてしまった。


「ふん!今度こそタッチさせてもらおうか」


「や、やめてよ!

 クッ!!!」


 俺がその時何を思ったのかはわからない、、、

 いや、理性ではなく、本能で動いただけなのかもしれない。


シャドウ!!!)


 影を移動し、少女の前にたった俺はすかさず魔法を詠唱する。


「6本腕阿修羅!!」


 飛びかかってくるガイラの体を何もない空間から出した腕6本で押さえつける。

「お、お前、、、なんで俺の邪魔をするんだ!」


「なんでかな、、、

 俺にも本当に何で自分がこんなことをしているのか理解が追いついてないんだ。」


 横目で少女がもういないのを確認したあとに

 俺はそのままガイラの体を離し、その隙に俺も横に逃げた。


「クソッ!上手く魔女側は攻撃禁止というルールに則って戦っているな。

 だが!!自警団の団長をあまり舐めないでいただきたいなぁ

 身体強化、筋肉増強アクセル!」


 一瞬、ほんの一瞬、俺の目で捉えることができないくらいのスピードでガイラは踏み込んできた。


(クソッ!影に隠れる時間すらないなんて、、、団長、、、流石に化け物だな、、)


 俺はもう諦めて目を少し閉じて受け身の姿勢を取った。















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