第16話 アベンチュリン(5月)
今回は、「アベンチュリン」について取り上げます。
【アベンチュリンとは?】
あまり馴染みのない名前ですよね。アベンチュリンというのは「アベンチュリン・クオーツ」のことです。「クオーツ」とは、皆さんご存じの通り「石英」のこと。つまり、アベンチュリンは石英に属する宝石なのです。
石の透明度は、半透明から透明のものがあり、色は緑、青緑、褐色、橙褐色、黄色があります。
アベンチュリンの最大の特徴は、光に当たるときらきらと光ること。
インクルージョン(『第2話 エメラルド』のメモを参照)として、とても小さい他の鉱物(簡単にいうと「雲母」や「赤鉄鉱物」など)の結晶が含まれているのですが、これが粉状の箔のような効果を出し、光に当たることできらきらとして見えるのです。
このきらきらとした光の効果を「アベンチュレッセンス」と言います。
【名前の由来】
<通説>
アベンチュリンという名前は、1700年にイタリアで発明された「アベンチュリングラス(aventurine)」から名付けられました。(イタリア語では「aventurino」と表記)
アベンチュリンとはイタリア語の「a ventura」が由来です。意味は「偶然に」。
それはアベンチュリングラスが、ガラス職人の失敗から偶然に生まれたものだったからです。
また、石の名にこれが当てはめられたのは、アベンチュリングラスの特徴として、光に当てるときらきらとしていて、その現象が似ていたことから付けられました。
<雑記>
アベンチュリンの名前の由来になった、「アベンチュリングラス」は、資料によって「アベンチュリンガラス」と表記されているものもありました。日本語の発音ではどちらでも構わないのかもしれません。
また「アベンチュリングラス」が生まれた年代ですが、上記では書籍にはっきりと書いてあったこともあり「1700年」と記載しましたが、「18世紀」と表記している資料もありました。……なかなか微妙ですよね(笑)
<和名>
「石英」もしくは「
とはいえ、「砂金石」と言った方が、アベンチュリンだとすぐ分かります。石英は種類が多いですし、辞書でも「砂金石」と入れるとアベンチュリンが出てきます。
【メモ】
〇買う際はご注意を〇
ちゃんとした宝石店で購入する場合は大丈夫だと思うのですが、アベンチュリンは結構詐欺に使われます。
緑色の良質なものは「翡翠」に似ていることから、翡翠として取引されることもありますし、ガラスで作った模造品をアベンチュリンとして売っていることもあるようなのです。
宝石になる石の多くは詐欺に使われるなどの歴史がありますが、アベンチュリンはあまり馴染みのない石もあってか、書籍でも注意喚起がされていました。(だからといってどうやって未然に防ぐかといわれると、私は宝石商ではないので、信頼している宝石店でお買い求めくださいとしか言いようがないのですが……笑 お役に立てずすみません)
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