シクド対抗連盟

あばばばばばば

第1話ピンジャの日常

 カツッカツッカッ!

 バタッ、

 「いって…!」

 血は…出てない。床がキレイすぎるってのも中々困るよな。ツルツル過ぎて転んじまう。


 「また転んだな、ジギー。」

 「靴に滑り止め着ければいいじゃん。それか裸足」

 屈んだまま前を向くと二人の男がいる。一人は椅子に腰掛け、もう一人は立ったままこちらを見ている。

「うるせぇぞフランツ、ローゼズ…さん。」

 座ってるやつがフランツ。俺と同じくらいの年だ(確かコイツの方が一個上)。メガネを掛け、白髪の低身。そのくせにスーツが似合う。


 「フランツ、テメェはさっさとコンタクトにしやがれ、戦闘のとき邪魔だ。」

 「それは俺の勝手だろ。俺は眼鏡が似合う男なんだよ。」

 「チビのくせにか?」

 カッ!

 「君ねぇ…」

 体が小刻みに震えている。着信で震えるスマホみたいだ。

 「ま〜た怒らせたね、ジギー。いい加減やめろよ。フランツも慣れよ?な?」


 コイツはローゼズ。俺らより年上だ。でもこいつもチビだ。でもコイツにチビっつってもキレないからつまらない。だから言わない。服装はいつも暗い緑色のオーバーオールに白の長袖シャツにキャスケットっつう帽子。俺らより年上のくせにガキみたいな感じの格好だ。(女子みたいな格好っていうのは嫌だから言わない。ガキっぽいっていうのもどうかとは思うが…)


 「お前…なんでローゼズさんにはで俺には呼び捨てなんだよ…」

 「同世代の奴に誕生日が来て一個上になったらそいつに敬語使うのか?使わないだろ?それと同じだ。言ったとしてそのノリは持って数十分だ。」

 「そりゃそうだけどよぉ…な〜んか腑に落ちないぜ。」

 「まぁまぁ、どうせもうすぐ仕事なんだから、ストレス発散はそこでしな。」

 (シクド退治をストレス発散にするって…)

 その発言はちょっと引いたぜローゼズさん…


 「ところで、あの二人は何処に?もうすぐ仕事なのに…」

 「それなら、病院に行ったよ。同僚の見舞いだってさ。」

 「悪化させなきゃいいけどな…」

 「それな、アイツならやりかねねぇ」

 仕事まで後二十分くらいある。もうちょい待ってみる。


 五分…


 十分…


 十五ふ、


 「おっせぇよ!何やってんだアイツら!」

 「落ち着いて、ジギー。もう準備しちゃお、最悪今回は俺らだけで。」

 「もう置いてっちまおうぜ?どっかの国だと五分前行動は当たり前らしいし。」

 「そうしとこうぜ、さっさと依頼んとこ行って調査するぞ。」

 結局アイツらは置いてった。さて、皆さんお待ちかね、シクド退治。出発だ。


 続く…


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