既存の教えの逆

冨平新

第1話 世の成功者

 「損して得取れ」ということわざがありますが、

彼らは「得」を取ろうとして

計算高く「損」をしてきたわけではありません。



 世の成功者と呼ばれる人たちは、

すさまじい努力をしたり、損をしたり、

詐欺や泥棒にったり、罠にはまったりしてきました。


 それらのマイナス経験を乗り越え、

啓発けいはつするための哲学が生まれ、

世の人々を幸福にすべく

多くの名言を残しました。



 なぜだまされるのか?

信じるからです。


 なぜ泥棒にうのか?

他人が欲しいものを所有しているからです。


 なぜ罠にはまるのか?

指示に従うからです。



 また、何らかの宗教のようなものを

強烈に信仰している人物が

成功者となる場合も多いです。


 「成功しているあの人と

同じ宗教に入ろうっと!」


 彼らのような成功者が

なんらかの宗教信者の場合は

いわゆる『広告塔』として利用できます。


 彼らを「人口に膾炙かいしゃ」させておけば

宗教組織の利益になるし、

宗教の教典による

人心支配の道具としても利用できます。



 世の成功者になるには、

世の中を支配したい人間にとって

都合の良い道具として

使える者であり続けることが

鍵である、と私は思います。


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