やり直したくない


老いた私のところに悪魔があらわれて「若い頃に戻ってやり直すチャンスをやろう」と言った。


確かに後悔の多い人生だった。

ほんの一瞬、誘惑にかられたが「お断りだ!」と答えて悪魔を追い返した。


「やり直すなんて、冗談じゃない!」

怒りのあまり壁にペンを投げつける。


私はたった今、大長編小説を書き終えたばかりなのだ。

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