第5話 アルバトロスが最強?

「いや、何言ってんだ、お前?」

「ちゃんと最後まで話を聞け!! 【アルバトロス】が最強ジョブというのは本当じゃ!! ‥‥‥って、なんじゃ、その目は?」


「いや、ホントかなぁ? って‥‥‥」

 信用できる訳ないじゃん。

 何言ってんの、このスライム。


「もちろんそのままではお主のように弱っちいがの‥‥‥」


「うっせーわ!! 誰がクソ雑魚ナメクジだ!?」

「誰もそこまでは言うておらんがの‥‥‥。お主、ジョブマスターについてどこまで理解しとる?」


「‥‥‥マスターすると他のジョブに転職出来るようになるんだよな?」

「それももちろんあるがの。マスターした状態だと【基礎レベル】が上がった時に【ジョブ特性ボーナス】が加算されるんじゃ」


「えっ? それってレベルアップ時のステータスが通常より上がるって事?」

「その通りじゃ。例えばじゃが‥‥‥【魔術師】をマスターした場合には魔力が通常よりプラス2される。【剣士】なら腕力がプラス2、【探索者】なら素早さがプラス5じゃったかな?」


 ふむ、つまりマスターしたそれぞれのジョブに応じて基礎レベルアップ時に上がるステータスがプラスされる、と。

 それは知らなかった。


「さらにジョブ特有の【特技】を他のジョブに持ち越せるのじゃ! 攻撃魔法の使える【学者】や剣術の使える【治癒師】などじゃな」


 ほほう。それはすごい。

 戦略の幅が広がるし何より強い!!


「でも、それと俺のアルバトロスと何か関係あるのか?」

「アルバトロスの特性はの、それまでにマスターしたジョブの特技が全て使えるのじゃ! そしてジョブによる装備制限も一切なしじゃ!! もちろん基礎レベルがアップすればマスターしたジョブボーナスも全て加算されるのじゃ!! どうじゃ、凄かろうが!?」


 装備制限というのはジョブ固有の装備枠以外のものを装備するとステータスが下がる事だ。

 【魔術師】が重装備をしたら動けなくなるし、【聖騎士】で盾が無かったら防御力が著しく下がる。

【アルバトロス】にはそれが全くない。


【特性ボーナス】に【マスターしたジョブの特技】と【装備制限なし】と。

 すごい!! 

 確かにそれなら最強じゃ‥‥‥?


 あ? いや、待て。

 前提条件としておかしいぞ。


「ちょ、ちょっと待て!? 俺はそもそもアルバトロスだからジョブマスター出来ないじゃないか!!」


 【アルバトロス】はジョブレベルアップ出来ない。つまりマスター出来ないから次のジョブも発生しないって事だ。

 【アルバトロス】でスタートしたらやっぱり何もできないままじゃないか!!

 期待させやがって!!


「確かにそうじゃな、そこで相談なんじゃがの? 我の経験と知識を全て受け継げるとしたら‥‥‥どうする?」

「!???」

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