第4話 三日目

 すみません、ピロリ除菌舐めてました。

 あ、お食事中の方は読まない方がいいです。



 昨日から、なぜか父がゲリ(ラ)攻撃で撃沈していて、パンツ6枚だめにした挙げ句、苦悶の表情を浮かべて寝込んでいた。

 朝、猫用ペットシートを半分に切ってパンツにインするのだという父に「お大事に」と声をかけて、仕事に行く(病院へ車で連れて行こうかと言ったが拒否された)。ほんまもんのゲリ(ラ)は恐ろしいな、と思いながら会社に着いて駐車場に車を停めた瞬間。


 来た。来なすった。

 明らかに今すぐトイレにいかなければヤバイ感覚、さりとて今動くと非常にまずいという予感。何度か深呼吸して体を落ち着け、今なら動ける、というタイミングで車を出て社屋へ。何ごともない風を装ってトイレへ直行する。


 この状態を「生まれたての子鹿みたい」と表現した人がいたが、本当にそうだった。足がガクガク震えるのだ。まだ出社している人が少ない時間帯だったので、しばらくトイレに籠城する。これ、小学生だったら不名誉なあだ名つけられるやつや……。

 

 フロアへ向かって仕事を始めたものの、胃腸の鈍痛はずっと続いているし、ふとした拍子に大変なことになりそうだったので、歩くときは小さな歩幅で静かに動き、椅子から立ち上がるときは腹筋を使うとヤバイので、手で机を押す力を利用した。

 日常生活を送るだけでも、いかに筋肉を使っていたかを実感した。そりゃあみんな、筋トレを推奨するはずだ。私も除菌が終わったら筋トレしよう……。


 昼は味噌汁とキャベツだけで済ませる。ようやく腹具合もましになってきたが、今度は味覚がおかしい。お茶が苦甘いのだ。念のため別のお茶も飲んでみたが、やっぱり変な味がする。これが、胃酸があがってくることによる味覚障害か! となんだか感心しながら、脱水症状予防のためにおいしくないお茶を飲む。


 今度は、顎から喉にかけてのリンパ(?)が痛くなってきた。続いて、口の中が酸っぱくなる。ちょうど、飲み過ぎて吐きそうなのを我慢しているときのような感じだ。胃酸、大暴れしてはりますやん。

 上も下もよろしくない具合のまま、今日は定時ダッシュで会社を去り、帰りにストッパ下痢止めEXと飴を買って帰った。


 いやあ、ピロリ舐めた発言したあとにひどい目に遭うって、ほんまモブ雑魚ですな、私は。あと四日、耐えられるのだろうか……。

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