テクニック2 サブテキスト

 次にご紹介するクリエイティブ・ライティングのテクニックは、「サブテキスト(暗示)」です。サブテキストは、物語の表面上の会話や出来事の裏にある、隠された意味や感情を指します。これを用いることで、読者は登場人物の心情や関係性を推測し、物語により深く関与できるようになります。


 例を挙げて説明します。


 明示的な文章:

「あなたが昨日遅く帰ってきたのはなぜですか?」

「友達と遅くまで話していました」


 サブテキストを用いた文章:

「昨日は遅かったね。どこにいたの?」

「ああ、友達とちょっと長話してたんだ。」


 この例では、サブテキストを用いた文章の方が、登場人物AがBに対して若干の不満や疑問を抱いていることが感じられます。一方、明示的な文章では、そのような感情が伝わりにくいです。


 サブテキストを使うことで、登場人物の心の中にある葛藤や隠れた感情を、読者に自然に伝えることができます。また、登場人物間の関係性や物語の背後にあるテーマを掘り下げることができます。


 練習として、登場人物間の会話シーンを書いてみてください。その際、表面上の会話だけでなく、登場人物の心情や隠れた意図を考慮し、それが伝わるような文章を書くことを心掛けてください。この練習を繰り返すことで、サブテキストを効果的に使いこなせるようになります。

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