第33話 夏の合宿 仲間の協力
午前の練習試合が終わった。
選手たちが宿にお昼を食べに向かった。
一輝がすごく落ち込んだ様子だった。
敦「なんか、一輝の様子が変だけど伊沼なにかしってる?」
伊沼「じつは...」
敦「なるほど。そういう事か。おれに任せな」
そういうと敦は一輝の肩を組んだ。
敦「なーに暗い顔してんだよ。あんな奴のいう事なんか気にするなよ。確かに椅子を引いた一輝も悪いけどそんなの謝ればすむ話じゃん。それなのにぐちぐちと嫌がらせしてみっともないな」
一輝「うん、敦君。僕は大丈夫だよ。気にしないから」
敦「そ、そうか。元気だせよ。今日の夜に種美先輩に改めて謝ればいいんじゃない?」
一輝「うん、そうする。ありがとう」
そういうと一輝は敦から離れた。
伊沼「だ、大丈夫そうか?」
敦「まあ、なんとか」
1年達は先輩よりも早く食堂に行きごはんの準備をした。
準備が終わり監督が席に着くと頂きますの挨拶をした。
ラグビー部の食事は黙食が基本だが少しの談笑なら許されていた。
種美先輩「しゅんた(飯野先輩)~あいつに言ったのか?」
飯野先輩「もちろん、これでやらなかったから絞め殺すかww」
2人はニヤニヤと一輝を見ていた。
すると早速水がない先輩を発見した一輝は急いで向かった。
対面にいる守道先輩に水を注ぎにいったのだ。
一輝「守道先輩!注ぎます!!」
守道先輩「お、おう。ありがとうな」
そして瞬時に2つ隣の先輩にも水を注いだ。
皆が不振そうに一輝を見ていた。
守道先輩の隣にいた大友(1年 1番)が声をかけた。
大友「おい、それ俺の仕事だろ(小言)」
一輝「ごめん、あとで事情を説明する(小言)」
一輝が村雨キャプテンに水を注ごうとしたら。
村雨キャプテン「丸山、どうしたの?珍しいじゃん」
一輝「いや、当然じゃないですか!水を注ぐのは!」
村雨キャプテン「でも、なんか変だぞ?別に強制してるつもりでもないけど...まぁ年功序列みたいなところはあるからな」
一輝「なので、全員分やらせてください!」
村雨キャプテン「いや、そこまでしなくてもいいよ」
一輝「いえ!お構いなく!」
村雨キャプテンは呆れた顔をした。
新本監督と進藤コーチもチラっと一輝を見ていた。
すると1人の男が立った。
宇佐美「先輩、注ぎます」
宇佐美が率先して水を注ぎにいったのだ。
一輝「ちょ、なにして(小言)」
宇佐美「分かってるよ、今日のことしってるよ(小言)」
2人は交互に水を注ぎに行った。
それを見かねた敦も立ち上がり水を注ぎに行った。
そして見かねた伊沼も立ち上がり水を注ぎに行った。
さらに井宮、渋谷も立ち上がり水を注ぎに行った。
村雨キャプテン「なんか今年の1年は凄い気合い入ってるな」
守道先輩「そんなに無理して注がなくても大丈夫だぞ」
一輝「いえ、やらせてください」
そして一輝は種美先輩の水を注ぎに行った。
種美先輩は不機嫌そうに一輝を睨みこう放った。
種美先輩「テメーなに他の1年と水注ぎに行ってんだ。あとで覚えてろよ(小言)」
一輝は震えながら黙って水を注いだ。
その日の昼食は何事もなく終わった。
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