第17話 別れ道
テスト当日。
一輝はいつもより早起きで学校に向かった。
余った時間で知識を詰め込んだ。
1点でも多く取るように勉強をした。
教室内はまだあまり人がいなかった。
敦の教室に向かった。
敦のクラスに黙々と勉強する敦の姿があった。
一輝「おはよ、頑張ってる?」
敦「たりめーよ、お前はどうなんだよ」
一輝「んー、ちょっと不安かなー。まぁ頑張ろうか」
二人は黙々と勉強を続けた。
朝のチャイムがなる前に一輝は元いた教室に戻った。
教室内はすっかり賑やかになっていた。
クラスの友達「一輝!勉強してきた?」
一輝「ぼちぼち!不安だよー」
クラスの友達「俺も!ギリギリまで勉強したからなんとかなるといいな」
前の扉がガラガラと開き先生が入った。
先生「よし静かにしろー、これから前期期末テストを始めるぞー。夏休み後は中間もあるから気を引き締めてけー」
生徒達「シーン(静まる音)」
先生が回答用紙と問題用紙を用意してそれぞれに配った。
始まりのチャイムが鳴った。
先生の始め!という声に一斉にシャーペンを持ち始めた。
静かな教室にカリカリと書く音と消しゴムで消す音が響いていた。
クラスでやんちゃなグループ達がクスクスと笑っていた。
先生「そこ!喋るなら全教科0点にするぞ」
やんちゃグループ「はーい」
どれくらいたっただろうか、休み時間がありながら気づけばテストを終えていた。
部活はテスト終了後、中庭に集合の予定だ。
すると同じ一年部員の小島がコソコソと入ってきた。
クラスには1人の同じ部員がいてその人に話をしていた。
小島とは仲良い印象だ。
一輝はそろりと後ろに回り会話を聞いてみた。
小島「なぁ、練習きつくなってきたよな。一緒に辞めようぜ」
小島の仲良い部員「そうしようかな、監督怖いし続けらんねーよ」
すると小島は一輝の気配に気づいた。
小島「うわ!?びっくりしたー、一輝かよ」
一輝「なんの話してるのー?」
小島「ああー、練習キツいしもう辞めようかなって話。あ、一輝も辞める?二人だと心細いからよ」
一輝「んー、僕はもう少し頑張ろうと思う。」
小島「そうか、あ、そうだ他のクラスにも辞めたいって言ってた部員いたよな。そこ行こうぜ」
二人は颯爽と教室を飛び出した。
一輝は荷物を持って指定の中庭に集合した。
そこには敦や他の一年生部員、先輩方がぞろぞろ集まっていた。
監督が自前のイスを持ち出しイスに掛けながら待っていた。
ぞろぞろ来るや「お疲れ様です!」と元気よく挨拶をした。
一輝も「監督!お疲れ様です!!」と元気よく挨拶をした。
監督はそれに答えるかのように手を軽くふった。
全員が集まった。
監督「テストお疲れ、まぁ急に練習するのはキツいと思うから体幹トレーニングや技術に関して先輩から教わるように」
部員達「はい!!」
それぞれが散らばり練習の準備をした。
群れから外れるように3人が揃って監督の前に出てきた。
一輝は会話が気になり一生懸命聞こうとした。
すると横から「おい、なにしてんだ」岡本先輩が一声かけてきた。
一輝はビクッとして岡本先輩に事情を話した。
岡本「あー、気にしなくていいよ。毎年だから」
一輝「でも、いいんですか?ここで逃げたらこの先も」
岡本「あのな、俺らは自分で手が一杯なんだよ。そんな奴らのことなんか気にする訳ないだろ。好きにさせとけよ」
一輝はしぶしぶ黙り込んだ。
3人と監督が人気のない通路に足を運んだ。
次の日の練習から3人の姿はなかった。
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