第11話 初日

敦と初めて通学をした。

敦は嬉しそうな反面顔が嫌そうに作っていた。

一輝「今日から始まるねー、頑張ろうね」

敦「ああ、共にな」

二人は笑い合った。

学校に着き授業が始まった。


キーンコーンカーンコーン

帰りのチャイムがなりさっそうと部活に向かった。

しばらく校内を歩くと宿屋のような3階建てが見えた。

そこに大柄の先輩達が待機していた。

先輩達「おおー、一年。集まったか」

そこに村雨キャプテンもいた。

一年生「いや、鴨川君がまだ来ていません」

村雨キャプテン「まぁいい、時間厳守だから。とりあえずいる人だけで部室の説明すっからよく聞けよ」

一年は一番上の階でそれぞれ部活によって部屋が決められていた。ラグビー部は階段を昇り右端に部屋がある。

そして下から2年3年の部屋が縦に並んでいる。


しばらくして鴨川が遅れてきた。

鴨川「すいません、遅れてしまい」

村雨キャプテン「おせーな、なにしてた」

鴨川「友達と話していました」

村雨キャプテン「はぁ、ここは時間厳守だからな。次遅れたら怒るぞ」

鴨川「す、すいません」

鴨川はおどおどしながら答えた。


グランドに集合した。

そこに監督のお出ましだ。

監督「おお、集まったか。じゃあこれから練習するぞ」

後ろからイケメンな進藤先生(コーチ)がマネージャーを連れてきた。

進藤先生「マネージャー達に部室の案内をしてきました」

マネージャー達は食堂隣にある綺麗な二階建ての宿屋に部屋がある、男のボロボロ宿屋と大違いだ。

監督「ごくろう、じゃあ揃ったことだし始めっか」


まず、ラグビーに必要な基礎の練習を始めた。

パスの投げ方は2種類あり、ホレーボールとスクリューボールだ。

ラグビーボールは他の競技と比べて特殊な楕円形をしている。

それをまともに投げると変な方向に飛ばしてしまう。

一年生達はまず簡単なホレーボールを先輩と1対1で練習した。

ホレーボールはボールの左右腹を両手で持ちボールを相手に向ける。縦の状態を保ち真っ直ぐ相手にほおるパスだ。


先輩「ほらー、一年しっかり投げろー」

一年生「はい!」

先輩「できた奴からスクリュー教えるからな~」

敦はすんなり出来てスクリューを投げた。

すると綺麗な軌道を描き相手の手元にスポッと入った。

先輩「さすが敦だな、お前は特別に自習しといてくれ」

敦「うす」

敦はサンドバッグを出しタックルに励んだ。


進藤コーチ「さすがですねー、敦君」

監督「当たり前だろ、ちっちゃい頃から見てる」

進藤コーチは深くうなずいた。

その頃一輝はホレーボールを合格しスクリューボールにてこずっていた。

一輝「えっと手のスナップで回転をきかせてっと」

スクリューボールはホレーボールと違い頭の先を相手に向けなきゃいけない。

そして両手でしっかり抑え投げる時に右利きなら右手をスナップさせて回転させる、左手は添えるだけ。

そうすることで遠くまで飛ばせる仕組みだ。


しばらく練習が続き別のメニューに移行した。

先輩「次は3on3やるぞ~、2チームに分かれてどちらかがボールを持つ。そして相手の先にラインがあるからボールを持ってタッチしたらトライだ。つまり得点がはいる。相手はボールを持ってるものにタッチしたら攻守交代だ。はじめ!」

一輝は敦とチームを組んだ。

そしてもう一人は宇佐見という一年だ。

ちょっとおっちょこちょいな人だ。

相手は同じ一年の釜崎と新藤、伊藤だ。

3人とも上達が早く足も早い、恐らくバックスの選手になる人だ。


そして3on3が始まった。





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