第3話焼き肉屋で
柳瀬と葉山は生ビールで乾杯した。
柳瀬は1口でジョッキの半分以上を飲んだが。
それを見ていた葉山は
「タクヤ君、相当ストレス溜まってるね」
と言うと
「そう、分かる?」
届いた牛タンを網に乗せながら、
「やっぱりサビ管の事でしょ?」
「うん、今から断われないかなぁ~」
しばらく沈黙が続いた。
「もう、引き継いだんだから無理よ。牛タン焼けたよ」
柳瀬は牛タンにレモンを搾り、口に入れた。
そして、生ビールをお代わりした。
2人は会社には内緒にしている仲。
バレたらどちらかが辞めなくてはいけない。
だから、街の端っこの店で飲食することが多い。
「今夜は、タクヤ君ち、泊まっていい?」
と、葉山は紙袋の中身を見せた。
ボウモアだった。
柳瀬は喜び、
「うん、いいよ。一緒に飲もう」
「良かった。最近、元気がないから断わられるかと思ったよ」
「そんなこと言わないよ!」
「タクヤ君は優しいからなぁ」
タクヤは生ビールを飲みながら、カルビとハラミとミノを店員に注文した。
「いずみ、優しいは弱いの裏返しだよ。オレは優しくない。弱いだけなんだ」
葉山は、心配そうに
「今度、心療内科に行ってみる?」
「えっ」
柳瀬は驚いた。……オレは精神がおかしいのだろうか?
「いや、いい。酒飲んで寝ればやな事忘れられるから」
「ちょっと、タクヤ君が心配」
2人はテールスープを食べて、代行を頼んで帰宅した。
マンションに着いたのは、22時であった。
そして、交代でシャワーを浴び2人はボウモアを飲むことにした。
「いずみ、悪い。つまみはTOPPOと冷凍餃子しかない」
「アハハハハ、そうだと思ってつまみも持参したました」
と、葉山は紙袋からチーズ、魚肉ソーセージ、ピスタチオを取り出した。
明日は土曜日。仕事は休みだ。
2人は深夜まで飲むのだが、続きはまた次回。
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