2023/03/24 温冷交代浴

 最近サウナにハマっている。

 忙しい日々の合間に空き時間ができた時に、映画に行くかサウナに行くか迷うくらいにはハマっている。


 と言ってもおっさん達の行く普通のサウナに普通に入って汗を流してくるだけなのだが。サウナで汗を流し、水風呂に浸かった後の所謂“整う”という過程がすこぶる気持ち良い。

 サウナに行くことを考えたら、たまの夜に買うストロングゼロも我慢できるくらい。

 というか、実際にここ最近酒を飲んでない。サウナに行く頻度も月一くらいだけれど、それでも体のメンテナンスのような心持ちになって良い。


 大きな銭湯やスパだと寝転がる為のスペースがあって、そこで水風呂後の温冷交代浴の後に体を休められるのが魅力だ。なお、これがサウナでいう整うという言葉の意味だが、最近はなんかもうよくわからない。

 色々と自分の体にあった浸かり方を試したりは自分もするけれど、まずは普通に暖かい湯に浸かり、体が暖まってきたところでサウナで汗をかき、しっかりと掛け湯をした後にゆっくりと水風呂に浸かり、濡れた体を少し強めに拭き取る。この普通の流れが結局一番気持ちが良い。


 ただ、普段通っているところは、別にサウナが売りの風呂屋でもないので、いわゆる整いスペースみたいなのはない。

 だから適当なベンチか浴槽の縁に座って水風呂後の体を休める。一応、寝湯もあるのでそこで体を休めることもあるが、あれは逆に気持ち良すぎて寝てしまい、風邪をひく恐れがあるのが玉に瑕。


 こうしてサウナに入って裸で太鼓腹にタオルを掛けたりしながら、おっさん達と肩を並べてベンチで座っていると、自分もまあ普通におっさん達の仲間入りをしたのだなあ、と思う。

 昨日の黒歴史ノートと同じで、それに対して特に大きく悲観的な気持ちがあったりはしない。健康に気を遣わないといけないことが増えていくのは不便だが、それだけだ。


 悲観的と言えば、こうして風呂屋に来た時に男が気にすると言われることに、陰茎の大きさがある。いきなり下ネタになって申し訳なさとかはあるので読み飛ばしてもらって構わない。


 私の陰茎はクソ程小さい。さっきみたいにサウナの後にリラックスをして縮こまっているそれは自分の親指よりも小さい。


 完全に短小包茎だ。昔、恋人に費用は出すから手術してこいと言われたこともあるけれど、結局行ってない。産まれてこの方ちっこいち◯ぽと付き合っている。

 勃起しても人差し指くらいになるだけだ。


 ベンチや浴槽の縁で局部を丸出しにしているおっさん達を見ても、私より小さな人は見たことがないし、友人間だとふざけて「古代ギリシャだと今でいう小さな粗チンの方が知性ある象徴と言われていたんだぞ。この野蛮なデカマラが!」みたいなことを言ったりはするが、正直そう気にしていない。

 気にしていない、と言うと余計気にしているみたいだけれど、本当に気にならない。面倒くさいので、黒歴史のこととか年齢のこととかと同じで気にしている素ぶりは見せるが、その度に「人間のふりしているアンドロイドみたいだな」と思っていたりする。


 そんなんだからダイエットも続かないのだが、流石に健康のことを考えるともう少し痩せるべきだな、ということだけは痛感する。

 子供の頃は標準体重以下だったのに、今や堂々たる太鼓腹。見た目を気にするとかではなく、普段の己の生活向上の為に痩せたくはあるが日々の飯は旨いのだから仕方がない。


 良くも悪くも他人の目から見る自分の体というものに頓着がないのである。

 と言っても自己肯定感が強い、みたいなのとも違うのでこれが果たして何に由来するものなのかわからんな、なんてことを思いながらクソほど小さい陰茎を見ながらサウナで整うなどしていた。


 所謂オタクという人種はそういう傾向があると思う。自分は風呂が好きだからこうして風呂に入るが、オタクは風呂に入らないと言われるのもそれだ。他人の目線に頓着していない。そのクセ、プライドだけは高かったりするからなんなのだろうな、人間っていうのはホントに面談くさいな。


 ただ、必ずしも悪いことではないだろう。

 他者からの目線を気にせず、比較せず、自分は自分であると断言できる、そういう人間がもっと増えれば、人はもう少し気持ちよく生きられると思う。


 気付けば2時間以上、サウナでの温冷交代浴を堪能していて、待ち合わせの時間を過ぎるところだったので風呂屋から出た。

 贅沢を言えば後1時間はまだ入っていたいところではあるのだけれど、それはまたの機会にする。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る