2.投稿しはじめたきっかけ

 最近まで連載していた、『しがない兼業神主の、人と人ならざるものとの交流日記』がなんとか完結しました。

 想像以上にたくさんの方が読んでくださって、嬉しいかぎりです。

 ありがたや。


 この作品、私がオンラインで初めて投稿した小説になります。

 その前はというと、もっと文芸寄りの作品を書いて、たまに文芸賞に応募したりしていました。

 でも、特に日の目を見ることもないまま、友だちや知り合いに読んでもらったりするくらい。

 書いたものを読んでくれる人がほとんどいない、という状況に、「素人の趣味、そんなもんだ」と思いつつも、ちょっとばかり寂しかったり、悔しかったり。


 そんなある日、私は一冊の本を読んで、衝撃を受けました。


 トークメーカー新書から出ている『WEB作家でプロになる!』です。

 これは、座談会をまとめた本だそうです。

 作家・プロクリエイターとして活動している、至道流星さんはじめとしたホストのお三方が、「小説家になろう」からデビューして、プロ作家になった方々をゲストに迎えて、オンライン投稿サイト(なろう)のリアルや、プロになった人たちが、どんな心構え・方法で小説を書いているのか、ということが、ストレートに語られています。

 

「まじで!? オンライン小説のプロ作家さんて、こんな感じで書いてるの!?」

 

 ということの連続。

 いやほんと、目から鱗どころか、目の玉がぽろりと落ちそうになりました。


 オンライン小説やなろうについては、私はずっと読み専で、自分で投稿してみようとはあんまり思っていませんでした。

 作風が違うしな……と。

 異世界ファンタジーとか、転生ものとか、読むのは好きなんですけどね。

 書いていたのは、自分が書きたいと思うテーマとか描写のある、けっこうがっつりした文芸的な小説ばかり。


 だけど、この本で語られていたのは、徹底的に「書きたいものではなく、読み手の読みたいものを書く」ということでした。


 趣味なら、好きなもの書いたらいいんですよね。

 でも、ちょっとでも「人に読んでもらいたい」と思うなら、人が「読みたい」というニーズのあるものを書かないと、という理屈は、「確かに……」と納得せざるを得ない。

 まあこの辺は、プロの人であっても、意見の分かれるところかもしれませんが。


 といっても、そこからすぐに「オンライン小説を書くぞ!」となったわけではなく、相変わらず書きたいものを書きつつも、この本で語られていたことは、ずっと頭の隅に引っかかっていました。


 そして、その本を読んでから数年後、色々きっかけもあり、やっとこさ心を決めて、カクヨムで書いてみることにしました。

 ちなみに、なろうを選ばなかったのは、カクヨムの方が、異世界系の作品でなくても、読んでくれる人がいそうなイメージだったから。


 初心者で作法もよくわからないので、まずは本で言われていることに、できるだけ従ってみよう、ということで、次のようなことを意識していました。

1 描写をできるだけ軽くする

2 最初の1ヶ月は、毎日投稿する

3 構想や推敲に時間をかけず、書いてすぐ出す

4 1話ごとに「気持ちいい」場面を入れる


 まあ、書いているうちに、はずれてきてしまったことも、多いですが……汗


 プロットもほとんど考えずに書き始めたので、行き当たりばったり、自転車操業、最後まで、ちゃんと完結させられるのか、ヒヤヒヤしていました。


 そんな物語でも、読んでくださる方がいて、今まで孤独に書いていたことを思うと、嬉し涙が出ます。

 応援やコメントが、ほんと励みになりました。

 改めて、読んでくださった方々、ありがとうございました。


 

 

 


 

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