春江の国の伝説と偽りの若様
あおのしらたき
第1話 動乱の時代
天子様が政治の実権を握らなくなってから久しく、代わりに武士が実権を握るようになってから何百年も経った時代。
大小様々な国が乱立し、多くの国が歴史に名を残すことなく消えゆく。
国を治めるお殿様は、国がいつ滅んでいくのかという不安を抱き、他方、隣国にいつ攻め入るかという野望を抱く。
その昔、法師は、力ある者が栄え、力無き者は滅んでいく栄枯盛衰の世を歌った。
時を告げる鐘の音には、諸行無常の響きが、沙羅双樹の花の色には、盛者必衰の理が。
どんなに己を驕る者もそれは長くは続かず、春の夜の夢のように。
どんなに強い者でもそれは長くは続かず、風の前の塵のように、と。
人はこの世を、あまりにも荒々しい動乱の時代ゆえに、次のように呼ぶ。
「戦国時代」と。
俺は、この動乱の時代に、生を受けた。
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