第13話:掛け替えのない仲間!!!


「わああああああああああああああああああああああ気持ちいいいいいいいいいいいいいいいいいいい…………あ、あれ?」


 シーソーでビューンと飛んで、このまま屋上までひとっ飛びできるかと思いきや。いきなり横から吹き出した風が上へ向かう私たちを拒んで、私たちは頂上ではない楼閣の階層にたどり着いた。


「よっと。うーん、やっぱり直接ショートカットはできないかぁ。皆さん、大丈夫ですか?」


「う、うん……私はなんとか。田中は?」


「………え? ここ天国?」


「楼閣の中だよ、まぁ大丈夫か。でもここ、何階なんだろう? 頂上ではないけど、結構進んだよね?」


「そうですよね……あ、ここに書いてます! 「70階」みたいですよ。わぁ、本当に高いところですね〜」


 近くに書いてあるプレートを見ると、70階って書いてあった。飛んできたところを見下ろしてみると、確かに地面が全く見えないや。でも、これなら思ってたより早く頂上につけそう!


「み、ミヒロちゃんよく下見れるね……私は無理」


「えー、カズサさん、せっかくなんですから見ましょうよ! 田中さんもほら!」


「やだ!」


「ぶーっ。なら皆さんにこの景色をお届けします! 見てください!」


———

「ひっ」

「こええええええええ」

「落ちたら即死やん」

「よく飛んできたなここまで」

「逆にこの高さを歩いてくるのはきつそう」

「ミヒロちゃんのパンツ見れなくて残念」

「あと30階登りきれよ!!!」

———


「はい、頑張りますね! じゃあそろそろ行きますか、みなさん!」


「あ、ちょっと待ってミヒロちゃん。自撮り棒折れかけたから直すね。スマホは……おお、奇跡的に無事だ。ミヒロちゃんは大丈夫そう?」


「私のスマホは……全然平気みたいです! さすが田中さんが無理して買ってくれた【テクノロジア】製ですね!」


「い、いやぁそれほどでも〜ミヒロちゃんのためならなんでもするし〜」


「田中、お前を褒めたわけではないんじゃないか……?」


 そんなわけで、カズサさんの準備が整うまで私は近くをうろちょろしてた。うーん、それにしても一階とは違ってなんだか禍々しい雰囲気。

 薄暗いし、なんだか変な匂いもするし、それに……。


「なんだろう、この人形たち?」


 日本人形だっけ、和服を着た黒髪の人形って。一つだけなら可愛いけど、流石に至るところに置いてあるとちょっと不気味……。


「お待たせーミヒロちゃん……って、なにこの人形たち!?」


「こ、こわいいいいいいいいいいいいいいいいいいい! 2人とも、か弱い私を絶対守ってよ!」


「いや、いざとなったら田中は見捨てるから」


「そ、そんなこと言わないでよカズサ〜」


「ふふっ」


「ん? どうしたのミヒロちゃん」


「いや、私1人だったらここを歩いていくの嫌だなぁって思ったんですけど……。お二人と一緒なら、きっとどこへ行っても楽しいんだろうなって思って!」


「み、ミヒロちゃん……モンスターと戦ってるとこ以外本当に可愛い!」


「う、うわぁカズサさん!」


「でしょでしょミヒロちゃん。私はこの「たまこし学園」の精神的支柱だからね。私も抱きつく!」


「た、田中さんも!?」


 思った本音をついぽろっと漏らすと、2人からギュって抱きしめられちゃった。なんだか、お二人にこうやってしてもらうとポカポカして落ち着くなぁ……え、えへへ。


———

「えっど」

「俺たちは壁だ」

「間に入りてえ」

「間に入りたいとか言ってるやつぶん殴る」

「服を脱げばもっと気持ちよくなれると思います!」

「えっど」

「百合営業乙」

「はよ進め」

「この時間を楽しめないやつはゴミwwwwwww」

「この危険なEXダンジョンに咲き誇る百合」

「最高!!!」

「神いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

———


「いやぁ、お二人ともそろそろ行かないと〜〜……ん? あ、危ない!」


「え? う、うわぁ!?」


「に、日本人形が……お、襲いかかってきた!?」


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新社会人生活が思っていた以上に時間ないため、ストック切れました。もしかしたらどこかで毎日更新止まるかもしれません。ご了承ください。

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