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    第4話への応援コメント


    >赤い花の咲く名も知れぬ美しい島は老人の墓標となった。

    という場面でふいに隆一は、自分が寝台の上で横になっているのに気づいた。
    白衣姿の男が隆一を上から覗き込み、言った。
    「ふむ、贖罪のVR監獄からご帰還というわけか。気分はどうだね?」

    ……みたいなオチかなあと最後まで思ってたんですが、うーん、これ、リアルなんですね?
    安易に電脳空間を持ってこなかったのは、却ってポイント高いかも、と思いつつ、リアルであるならば、他の島民は何だったのか、全員が個人的に集められた役者であるのなら、役者の側で隆一を慕っていのはどういうことだったのか、などなどの疑問が残り、どうしてもその部分が瑕疵になるのでは、という気がしました。
    あり得る説明としては、みなそれぞれにすねに傷を持つ身で、それなりに島の生活で人生をやり直していた……とかかな? まああんまり説明しすぎるとダレてしまうんですが。

    文章の描写力とか構成のハマり方などは、全く申し分ありません。総天然色のワイドスクリーンで、ちょっとした豪華なショートムービー観た気分でした。天国のような生活から、マリーセレスト号みたいな怪現象が起こっていくその部分などは、見事な心理ホラーでした。その意味でも、うるさ型をも黙らせるような、隙のないオチであったなら、と、ちょっとだけ残念です。

    作者からの返信

    丁寧なご感想をありがとうございます。おっしゃる通り、説明不足の設定に疑問を感じたり詰めの甘さを感じたりされる読者さんが多いように思います。
    お見えしていない改訂版はこの辺りを加筆していますがきちんと解決できているか、見直しをしてみたいと思います。
    仮想現実は今のご時世すぐに予想できてつまらないと考えたのであえてレトロな結末としました。
    非常にためになるご感想でした、勉強させていただきます。

    編集済

  • 編集済

    第4話への応援コメント

    『美しい物語』企画への参加ありがとうございます。
    ミステリーが好きなので興味を持って読ませてもらいました。消失事件かと思いきや贖罪の物語だったのですね。事件の凄惨さと楽園の美しい情景とのコントラストが印象的でした。
    隆一の犯した罪は大きいですが、長きにわたって喪失を味わった結果、慰謝の念が芽生えたことには意義があったのだと思います。愛する家族の下に召されたことが、彼が赦された結果なのかなと思いました。

  • 第4話への応援コメント

    欲のために奪ってしまった命がどれほど大切にされていたのか、知るにはこの孤独が必要だったんでしょうね。
    幻とはいえ彼の愛した家族が迎えに現れてくれたのは、許されたからなんでしょう。
    豊かな自然と罪とのコントラストが美しい作品でした。

    作者からの返信

    巷の犯罪者が何故他人の大切なものを奪えるのか、と考えたときにやはり他人事だからというのが根底にあると思いました。
    同じ目に遭わせる、というのはリベンジものの常套手段ではありますが極論がこうなのではないかと考えました。孤独もまた償いのために必要な時間でした。

    彼が本物の家族ではなく偽りの家族を夢見たのは悲しいことでもありますね。それでも彼自身は穏やかな最期を迎えました。甘いかもしれませんが、自分の考えた償いと赦しでした。

    最後までお読みいただき、ご感想までありがとうございました。

  • 第1話への応援コメント

    楽しそうなやり取りと島の豊かな自然の描写が幸せな一時を伝えてくれていたのに、一気に不穏な雰囲気に…
    この落差がたまらないですね。

    作者からの返信

    滑稽なほどにあからさまな美しさや幸せを表現してみました。落差が効果的な表現になっていたようで嬉しいです。島の美しさは人の感情がどう移ろおうとも不変という意識で書きました。
    写真をきっかけにお読みいただいたとのこと、とても嬉しいです!

  • 第4話への応援コメント

    自主企画「心のうぶげをくすぐるような小説2」にご参加いただきありがとうございました!
    心のうぶげとはかなり違いますが、続きが気になって読み切ってしまいました。
    この島が何のためにあったのか。罪を償わせるものであったとしても、人の心を知り、家族がいる喜びを知った主人公は罪を償って許しを得たようにも思えます。もちろん、人間らしい心を持ったから知る絶望もあると思いますが…。いろいろ考えさせられました。
    面白い作品をありがとうございました!

    作者からの返信

    うぶげではなかったですか、ジャンル違いでしたのにお読みいただきありがとうございました。
    持たざるものは失うものがなくて、何も怖く無い。しかし、そういう人間に大事なものを一度与えることで奪われる苦しみを味合わせたというのが妙味でした。
    面白い作品とのお言葉、嬉しく思います。

  • 第4話への応援コメント

    最後まで素晴らしかったです!有難う御座いました。胸を焦がす心情描写に涙が溢れてきました。最高です!美しく切なくて悲しくて、悔やみ切れない過ちが自責の念の波を静かに足元に満ち引きを繰り返す。参りました、素晴らしい作品を有難う御座いました。

    作者からの返信

    いつも激情迸るご感想をありがとうございます。
    醜い人間のドラマだけに対比となる美しい情景描写を心がけました。
    贖罪とは、後悔とは、自分でもこの物語を書いてみても何がベストだったのか答えがわかりません。

  • 第3話への応援コメント

    怒涛の展開に固唾を呑んでしまいました( ゚Д゚)このクオリティを淡々とですって⁉恐ろしい…… 恐ろしい破壊力です、流石です!

  • 第2話への応援コメント

    あっと言う間に引き込まれてしまいました(゚Д゚;)流石です。もう怖くて仕方ありません……

    作者からの返信

    小さな社会の中で人が消えるというのは空恐ろしいですね。
    不気味さを感じでいただき嬉しいです。

  • 第1話への応援コメント

    唐突に始まる事件の予感…… 神崎先生は色々な声色をお持ちでいつも圧倒されてしまってます。私はカッコいいハードボイルド系の男の香りが大好きですが、踏み荒らされてない白い雪の上を歩くように今は凄く楽しみです( *´艸`)引き続き拝読させて頂きます。

    作者からの返信

    コメントが文学的でヒェッとなりますよ。幸せな家族の姿よりハードボイルドが好きなんですが、淡々と書いております。
    いつも応援ありがとうございます。

  • 第4話への応援コメント

    はじめまして。感想失礼します。
    他の読者さんのコメントも拝見して面白く思ったので、私もコメントさせていただきます。

    私はこの作品を読んで、エンリケ爺さんの復讐は実らなかったなぁ、色々なものの虚しさを巧みに描いた作品だなぁと思いました。
    なぜなら、隆一の謝罪はエンリケ爺さんに届くことはなく、それは彼の自己満足であると考え、幸せな夢を見て死んでいったことから、実質「勝ち逃げ」のようなものだと感じたからです。

    理想主義的な村での生活が瞬く間に崩れ去ったことも、この作品が美しく「虚しさを描いている」ように感じた一因かも知れません。

    複数の読みを可能にする、素敵なエンドでした。

    作者からの返信

    藤田桜さま、お読みいただき丁寧なご感想をありがとうございます。
    虚しさを巧みに、というお言葉嬉しく思いました。自然である海の美しさだけは変わらず人の心は変わってゆくという対比をイメージしていました。

    エンリケじいさんの立場からの考察をなるほど、と思いながら読ませていただきました。
    彼には隆一の謝罪は届きませんでしたね。隆一の自己満足という言葉に罪の贖いの難しさを感じました。

    お言葉のとおり読者に解釈を委ねるスタイルの物語だったことで私も学びがありました。ありがとうございます。


  • 編集済

    第4話への応援コメント

    すごく、いろいろ考えさせられました。
    なんといっていいか、言葉がわかりません。

    終身刑だった彼の罪が償われたかどうか、わかりませんが、幸せに死んでいったのがよかったです。

    作者からの返信

    書き終えて自分でもいろいろ解釈ができる作品だなと思いました。
    人を傷つけた人間が心から謝罪することの難しさを現実で目の当たりにして、極論同じ境遇に立たせたらどうかというのがアイデアでした。

    隆一を迎えに来たのは偽りの家族でしたが、それは彼が求めた家族の姿でした。隆一が心から老人の痛みに寄り添えたことで魂の救いがあったという解釈にしています。

    お読みいただき、ありがとうございます!

  • 第4話への応援コメント

    隆一が心の底から反省して罪を償ったから、幻の家族と会えたのかも知れませんね。
    島で一生1人とか、気が狂いそうです。

    作者からの返信

    いくら美しい島でもたった1人なんて生きている意味がわからなくなりますね。
    罪を償うということはどういうことか、考えて書いていました。同じ目に合わないと人の痛みはわからないだろうとこのような復讐劇にしてみました。

    彼は最後には救われたのですが、やはり払った代償はあまりに大きかったですね。