【詩】雪が、降る



地上に降る雪が

その儚さを伴って

あなたの手のひらに

触れた

甘い体温は

雪を溶かし

水滴が残った

白い姿は

澄んだ涙に変わった


 あなたは泣いていたの?

凍てつく寒さの中

消えていく命の灯を

まだ

見つめていた


息をすることは

もう

できず

瞳を開くことも

叶わない

次第に冷たくなる体を

抱きしめていた


 天国のよう

白い世界を

魂の帰る場所が

ここ

ならば

それは

幸せなのかもしれません


私はまだ

真っ白なキャンバスに

何も

描けないまま

今年も

あなたに

会いに行く



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