第30話
翌日の放課後、僕は再び学園長に呼び出されて、学園長室に向かっていた。
学園長室に入ろうとノックをしようとしたときだった。
僕は不意に違和感を覚えた。
(ん?中に四人いる?……それにそのうちの三人はかなり魔力の放出量が多いな……)
ひょっとして何か取り込み中なのか?と思った僕はしばらく外に立っていたが、その三人はいつまでも外に出てくるわけでもなく、何かを待っているように感じられてきたのと呼び出された時間になったため気にせずに失礼しますと断って僕は学園長室に入った。
中にいたのはいつも座っている席に座っている学園長とどこかで見た記憶のある三人の同年代と思しき男性だった。
誰だっけ……?そんな怪訝な顔を嫌そうな顔をしているとでも取ったのだろうか?いきなり僕は謝罪をされた。
「上野くん、昨日の今日なのに時間を取らせてしまってすまないね」
「いえ」
「それで早速、君を呼んだ理由なんだが……。実は君に紹介した人たちがいてね……、まぁ今君の目の前にいる三人なのだが……」
そこまで言うと私はいない方がいいかなと三人の男性の方を見て言って学園長室から学園長が出て行った。
いやいや、ここ学園長室なんだからあなたが移動するんじゃなくて僕たちが移動するべきでしょう……。
学園長に名前も分からない男性三人のいる空間に放り込まれてしまった僕は少し気まずさを感じながら改めて三人の方に向き直った。
「上野くんかな?」
「ええ一応?」
一応って何?
「どうもはじめまして……だよね?陸です」
「どうも……空です」
「海だ!これからよろしく!」
「……」
そうか……、思い出した……。この人たち、僕が九条と悠乃の二人を対面させてダンジョン内でいじめているときに救出に来ていた人たちだ……。
あれ?ってことは……、ひょっとして蒼竜を召喚して九条で遊んでたことがバレたのか?
……記憶消す準備しておくか……。
ただし、そんな準備をする必要性などは存在しなかった。何故ならその後に続いた言葉は……
「単刀直入に言おう。……上野くん、僕たちのパーティーに入る気はないかい?」
という予想を裏切るものだったからだ……。といっても目の前の陸と名乗った男性の言葉はそんないきなり言われても困りますよ……という感想がピッタリな言葉だったので、僕は口をあんぐりとはいかないまでも開けてしまった。
「……へ?」
「一応、こんなんでも現役最強と言われている『銀河の蜿』っていうパーティーをやらせてもらっている。……昨日の動画も見せてもらったよ。上から目線のようで申し訳ないけど、素晴らしい動きだった」
「はぁ……」
別にあれくらいなら間違いなくあなた方でも出来ると言いたい。蒼竜の三分の一くらいの強さでかつ不意打ちだったのだから。それと名前は厨二病じみていないといけないというルールでもあるのだろうか?
「それでどうだい?」
言葉のボキャブラリーに乏しい僕は先程抱いた感想をそのまま伝える。
「……いや、いきなり言われてもとしか……。それにあなた方のこともよく知りませんし」
「……」
「更に加えて言ってしまえば僕は現在パーティーに所属している身ですので、お断りさせていただこうかと……」
「……」
陸という男性は僕の言葉に無言で少し考え込んでいた。
「お話はこれだけでしょうか?それなら」
「……災厄だ」
「えっ?」
「——災厄のダンジョンに、一緒に潜らないか?」
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申し訳ありません。作者の鬱病が再発しかけているので一旦更新は不定期とさせていただきます……。(なお六月末までに十万文字書かないといけない模様なので三日後までには更新します)
ご了承いただけますと幸いです……。
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