第7話 大人の恋心

7.

" ARAGAKI KEIKO 新垣桂子"



 ガキさんからは、今までお見合いは数回した程度と聞いてた

けれど、まぁ世知辛い世の中の荒波に伊達にもまれてない

流石キャリアウーマンだわぁ・・。


 私に向けて謙遜しつつ、それとなく小野寺くんに向けて話し

かけてる。


 ふふっ、ガキさんいい感じ。

 その調子で頑張れっ!


 ガキさんの前に座ってる小野寺くんもにこやかに私とガキさんの

話を聞いている。


 こんな和やかな雰囲気の中で、夫が改めてふたりの引き合わせの

紹介を始めようと口を開きかけたのだが・・おっと、ごめんよ雅也さん。



 「では、和んできたところで私から今後のことをお話させて

いただきたいと思います。


 まぁ正式なお見合いでもないですし、もちろんおふたりが

お互いのことをよく知り合う為に、気を楽にしてお付き合いを

始めればいいと思いますし、私や夫に一切気を遣う必要もありません。


 形式ばった報告とかも結構です。

 もう後はおふたりでやり取りしていただいたらいいかと思います。


 桂子さんに気持ちを聞いたりとか、具体的な展望なども全くお話

させていただいてなくて・・僭越ではございますが、私の独断でひとつ

提案させていただきたいことがあります」



  私は小野寺くんに向けて言った。



 「もしおふたりがお付き合いを決めることになった時は、最初から

結婚を前提に、という文言を入れた交際になればと思います」



 私が話している間、ガキさんは俯いて聞いていた。

 よけいなことを、と思われたかもしれない。


 重過ぎて交際まで進まない可能性もあるからだ。


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