ぽっちゃり悪役転生した僕は痩せられない

闇谷 紅

序章『先輩と僕』

おまわりさん、こっちです


「はぁ……安らぐ」


 それは結構なことで、と応じたのはいつのことだったか。僕は先輩の体温を感じつつ、汚物でも見るような目を腕の中の先輩に向けていた。


「後輩、誇っていいぞ。キミの二の腕の柔らかさは私が知る限り一番だし、この慎み深いくらいのおおきさのおっぱいも最高だ」


 恍惚とした表情で変態的な発言をするのは、僕から見ると一年上の先輩。これが生徒会の役員だなんて世も末だと思う今日この頃だが。


「……それ、男の僕が言われて喜ぶとでも思ってますか?」


 変態発言をしてるのは校内でも屈指の美少女。


「私はただ、感想を自分に正直に口にしてるだけだ」

「もうやだ、この変態」


 そして、セクハラを現在進行形で受けてる僕は現在でもぽっちゃり系、将来デブな悪役として主人公に突っかかっては返り討ちにされる道化になる男だった。

 

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