制作裏話(Oルート)(というかただの現実サイドの話)

 伝えるべきことを先に全てまとめておく。


・『今迫直弥』はもともと七人組の共同名義だが、メンバーは現在は三人(イニシャルI、S、O)しか生きていない。

・昨年末『今迫直弥』の周りでまた人が死んだ。

・死んだのは、このカクヨムアカウントを主に管理していたI氏の、元妻である。

・I氏自身はまだ全然生きている(ただし、休職して引き篭っているらしい)。

・この章の著者は、I氏からアカウントの管理を頼まれたO(つまり僕)である。

・『令和の実話系怪談(短編集)』に出てくる逸話は、七人のメンバーの話を寄せ集めて脚色したものが殆どである。

・たぶん、S・Tという女は実在しない。いたとしても、モデルとなったのは全く異なるイニシャルを持つ男か何かである。



 僕は、I氏がカクヨムアカウントを開設して今迫直弥名義の過去作をアップすることには賛成だった。

 けど、『だから僕は○○を辞めた』という変な自分語りや、この実話系怪談を投稿し始めたことには違和感しかなかった。

 こいつ大丈夫か、と思ったし、一度、それを咎めるメールを送ったことだってある(あとで少し出てくる)。

 事実、あいつは全然大丈夫じゃなかった。

 クレイジーなやつは、ネットでも現実でも大人しくしているべきだ。それが僕の持論である。


 葬儀の場でI氏からアカウントの管理の引継ぎを頼まれた時も、「消せばいいだろ」と思った。

 何も言わずに引き継いだふりをして僕がアカウントを消すことも考えた。

 ただ、I氏は愚かにも、カクヨムのサイト上で直接文章を編集していて、元データがない。

 つまり、アカウントを消すと、あいつの書いた新しい文章は全部この世から完全に消えるのだ。

 それはさすがに気が引けたが、わざわざ全部コピペして回収するというのも面倒すぎる。

 どうせ殆ど誰にも読まれていないし、基本、放っておくことに決めた。

 ただ、『令和の実話系怪談(短編集)』は今、あまりにもひどいところで更新が止まっている。

 何なら、作者が死んだみたいな誤解さえ受けかねない。

 それがI氏の作為である気もするが、あまり褒められたやり方でないと思い、これを書いている。

(作中では、筆者の絶望と狂気がだいぶ盛られて書かれている。I氏が精神的に少し参っているのは確かだが、別に正気を失っていないことは実際に会った僕が一番わかっている)


 2024年1月19日現在、『令和の実話系怪談(短編集)』には、編集途中の下書きだけが書かれていて未公開の章が四つ、完成して予約投稿されている章が一つある。

 編集途中の章のタイトルと最終更新日は次のようになっている


・『鴉の恩返し』 2023年4月10日08:17最終更新

・『火のない所に』 2023年5月8日09:14最終更新 

・『旧友から届いた一通のメールについて』 2023年10月6日08:26最終更新

・『ASMR専用イヤホン』 2023年12月23日00:34最終更新


 それぞれ、作品の骨子が箇条書きになっていたり、I氏の手で途中まで書かれていたりしたが、いずれも残念ながら途絶している。

 飽きたのか何なのかはわからない。

 制作メモと執筆した内容を同じファイルで管理するような執筆スタイルは個人的にかなり気持ち悪いが、おかげでI氏の書きたかったことの一端は伝わった。

 僕が書き継げば良いのだろうけど、さすがにそこまで手が回らない。

 申し訳ないが、折を見て、これら全てを未完成のまま公開させてもらうつもりでいる。


 そして、既に完成して予約投稿されている章は次の通りだ。


・『貴方がこの話を読んでいる頃には』 2024年2月1日公開予定


 これは、別の章で少し言及されていたI氏の遺書だ。

 読んでみたが、数か月前に書かれたものらしく、的外れで全然心に刺さらない。

 でも、これを最終章として、『令和の実話系怪談(短編集)』は一旦完結とする。

 タイムリミットは、2024年1月いっぱいということになる。

 以降、僕は一切手を加えない。

 I氏が立ち直って編集するのは別に止めないが、僕はこの作品を開くことさえしないつもりだ。

(何なら、僕はこのアカウントのことが無ければカクヨムと縁のなかった人間だった)



 正直、I氏がこの文章をすぐに読んでくれるかはわからない。

 ただ、いずれ戻ってくると確信している。

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