第28話「手紙」
はるかちゃん、ありがとう
はなれても、ずっとともだちだよ
ぜったいぜったい、またあおうね
私は可愛らしい便箋の手紙を読んで、懐かしい気持ちになった。
これは小学校二年生の時にうちが引っ越すことになって、仲が良かったまりちゃんという女の子からもらった手紙だ。
まりちゃんとは幼稚園の時から一緒で、よく一緒に遊んでいた。
なわとびもしたし、お店屋さんごっこもしたし、ゲームもした。
私の記憶の中に、まりちゃんはたしかにいる。
しかし、その後今までまりちゃんと会うことはなかった。
遠くに引っ越してしまったこと、名字も名前も漢字が分からず、SNSなどで検索しようにも出来なかった。
でも、この手紙は大事に持っている。
私の楽しかった思い出とともに、まりちゃんは今何をしているのかな、もしかしたら結婚とかしたのかな、私に会いたいと思ってくれているかな、そんなことを思っていた。
今度、久しぶりに小さい頃に住んでいた場所に行ってみようと思う。
まりちゃんはいないかもしれないけど、それでもいい。
私はもう一度手紙を読んで、大事に引き出しの中にしまっておくことにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます