第2話 美少女聖女様と同棲を始める

あれから1週間、相変わらず残業の日々。

深夜まで無茶な納期のポーション作りをこなす。

で、トリーシャが来る休日になった。


「……ふぁ!」


昨日、深夜まで残業していた俺は、昼まで寝てしまっていた。

昨日食べたパンのカスが散乱している。

洗い物もしてない。

すぐに掃除ないと……!


俺はボサボサの頭を整えて、部屋を掃除し始めた。

柱にかけられた時計を見ると、今は12時半。

あと30分でトリーシャが来てしまう。


◇◇◇


「ふう……なんとか間に合った」


部屋をピカピカに掃除して、紅茶セットを用意した。

女の子が来たことない部屋だ。

これでいいのか不安になる。


コンコン!


玄関のドアをノックする音。

トリーシャだ。


「はーい!久しぶり!」


俺は元気よくドアを開けると、


「アルくん!」


栗色の長い髪がたなびく。

笑顔がひまわりのように明るい。


しばらく会ってなかったけど、涼しげな目元が8年前の面影がある。


「アルフォンスくん!お久しぶり!イケメンになったじゃない」


トリーシャの母、ウェンディおばさんだ。

子どもの頃、よく家に遊びに行ったけ。

懐かしい人たちに久しぶりに会えて、俺は嬉しかった。


俺は2人に紅茶を振る舞う。

市場で仕入れた高級品だ。


「すごいね。聖女になるなんて」

「えへへ。ありがとう。アルくんに褒められちゃっいました」


にこやかに笑うトリーシャ。

うん……すげえかわいい。


「今日はアルフォンスくんに大事な話があるの」


ウィンディおばさんは真剣な顔をした。


「領主様の命令で、あたしは隣国の薬草を取りに行くことになったの。だから……アルフォンスくんにトリーシャを預かってもらたいの」

「預かる……?」


いきなりすぎて話が見えない。


「あたしと……結婚を前提に同棲してください!」


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